DAYS JAPAN 8月号

DAYS JAPAN 8月号より

大西暢夫氏の「精神科病棟の笑顔」

精神科病棟に入院している人たちの日常を
映し出している写真が紹介されている。

どの写真もその人らしさが表れていて、
「大西さんを信頼しているんだなあ」と、伝わってくる。

この写真を見ていると、思い出す患者さんがいる。

私が看護学校3年の時に、精神看護学実習で訪れた、
精神病院の急性期病棟。

私は、統合失調症のSさんを受け持つ。
受け持った当初、彼の「できない部分」ばかり目がいってしまい、
彼もそんな私の態度に気がつき、
私とSさんの間には溝が生まれた。

しかし、臨床指導の先生との毎日の振り返りの中で、
私はSさんとの接し方を変えていくことができた。

そんなある日。
毎日同じ場所をぐるぐる徘徊しているか、部屋で寝ているSさんが
初めて、レクリエーションのバレーボールに参加した。

「僕が頑張っているところを、あなたに見てもらいたいんだ」

そう言って照れていたSさんの顔は、ずっと忘れないだろう。

************************************************************

DAYS JAPANでは、バックナンバーも取り扱っています。

スポンサーリンク


スポンサーリンク