マレーシア アジアと中東のはざまで④

こんな風にマレーシアのことを書いていると、
「遊びに行ったんじゃないか?」と思われてしまいそうですが、
実は仕事でした
(もう帰国しています)

私は、JIM-NETという団体で、
イラクの医療支援に関わっているのですが、
今回、マレーシアでイラクのドクターたちとカンファレンスを
行ってきました

今までは、イラクの隣国ヨルダンで行っていたのですが、
年々、イラク人がヨルダンやシリアなど、
隣国に入国するのが難しくなってきています
あまりにも多くのイラク人が流出しているので、
ヨルダンやシリア政府が、入国を厳しくしているからです

イラクから約200万人の人々が、国外へ脱出したと言われていますが、
そのうち約50万~100万人がヨルダンにいると言われています。
そして200万人以上の人たちが海外には逃げられず、
国内避難民として厳しい状況の中、生活をしています。
ちなみに国内避難民は、難民法で「難民」と認められないので、
国連が手を出すことはできません
助けが必要な人たちのところに支援が届かないなんて、
おかしな話です

mare-MT

イラクの病院で必要な医薬品は、イラク保健省の管轄ですが、
去年買えなかった物が最近は買える様になったり、
少しずつ、状況が変わってきているようです
しかし、明日はどうなるのか全く予測のつかない状況下にあるイラクでは、
今日手に入った薬が、明日も手に入るという確約はありません

そんな中で、確実に医薬品を提供している海外NGOの存在は、
とても大きいとのこと
そしてJIM-NETが医薬品を購入できるのは、
みなさんの寄付のおかげです

今回のマレーシア会議には、
信州大学の小児科の教授も参加され、
診断方法や抗癌剤の使用方法、遺伝子解析にまで話が及び、
かなりアカデミックで、充実した会議になりました

イラクの子どもたちに白血病や癌が増えているのは、
アメリカが戦争時に、劣化ウランを使用したからであって、
戦争を指示した私たちにも責任があると、
私は思っています。

そして、アメリカが使用した劣化ウランは、
日本の原発から出たゴミなわけです

私は、あの戦争を止められなかったけれど、
今、イラクの人たちにできることをしたいと、
思っています

スポンサーリンク


スポンサーリンク