国際人権デー2007①

毎年12月10日は、
国際人権デーです

1948年12月10日に、国連で世界人権宣言が採択されてから、
この日を忘れないために、
世界中で、日本全国で、イベントが開催されます

第二次世界大戦で起きた悲劇を二度と繰り返さないという反省から、
世界人権宣言が採択され、その結果、
現在の国際人権条約が生まれました

今、日本には難民の方々が住んでいます。
その多くは、本国から逃れてきた人々です。
政治的、宗教的理由で生命の危険を感じ、
日本に助けを求めてきた人々です

日本は難民条約に批准しているにも関わらず、
鎖国を続け、難民を受け入れない冷たい国だと言われています。
なんせ、国連が難民認定したクルド人を
強制送還させてしまうくらいですから・・・
こんな恥ずかしい話は、ありません

入国管理局に収容されている難民の方々にとって、
一番大きな問題は、
医療の質の悪さ、です
①誤診
②薬物の過剰投与
は、日常茶飯事。
ろくに診察もせず、ただ薬を出すだけ。
それも、間違った薬を出すわけです

入管に一度収容されると、
出るまでに平均1年くらいかかります。
しかしそういうことを知らされてない難民の方々は、
情報が閉ざされた空間で、
「自分は今後どうなるのか?」
「2-3か月で、出られるんじゃないか?」
と、不安な中、暮らしています

そんな中、最近は
日本人の「面会ボランティア」が増えています
何をするかというと、
難民の方々と面会をして、話を聞くというもの。
日本人側からしてみれば、
「面会をして、話をする」ことが、
彼らのストレス解消になったり、外との交流になるなど、
良いことをしているような気になっているのだと思いますが、
実際はその逆で、
「私たちは、外に出たい。難民認定されたい。
あなた方はそのために、何をしてくれますか?
ただ話を聞くだけで、何もしてくれない」
と、憤りを感じるようになるわけです

そんな中、数少ないですが、
難民の方々の保証人になっている日本人もいます

その方は、その方なりの思いがあって、
ビルマ人のみの、保証人になっているそうです。
ちなみに、日本の中のビルマ人コミュニティーの結束が強いので、
お金も助けも情報も集まりやすいとのこと。

お金というのは・・・
入管から出るには、保証金が50万円必要になります。
もちろんそれは、各々に支払ってもらうのですが、
もしお金が集まらない場合、保証人が払うことになります。

情報というのは・・・
自分が保証人になった難民の方と、
入管を出た後に連絡がつかなくなっても、
コミュニティーに投げかければ、
連絡がつくそうです。

しかしその保証金にも、最近変化が見られるそうで・・・
先日、ビルマ(ミャンマー)で暴動が起きましたが、
それがきっかけで、多くのビルマ人が、
入管から仮放免になっています。
つまり、入管から出してもえたのです。
「こんな酷い政治状況下で生きている」ということが、
多くの人に認知されたからです。
そして保証金も30万にさがりました。

しかしそのしわ寄せは、
別の所に現れています。
ビルマの人々の保証金が安くなった代わりに、
アフリカの人たちの保証金が100万に跳ね上がったのです
以前から、犯罪歴のある(刑務所にいたことのある)難民は、
保証金が100万だったそうですが、
犯罪歴のない、フツーの難民も、保証金が100万になり始めています

私たち日本人にとっても、100万といったら、
すぐに用意できる金額ではありません
難民の方々にしてみれば、なお更です

入国管理局の仕事は、
日本の治安を維持するために、
不法滞在者を本国に送ることが仕事です。
強制送還の令状が出ているわけですから、
よく言えば、仕事に忠実なわけです。

しかしそれと同時に、
日本は難民条約にも批准しています。
難民を保護することを世界に約束しているわけです。

この相反するもの(入管と難民条約)を法務省の管轄にしているから、
矛盾が生じているのではないでしょうか

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