雪が降り積もり、寒さが厳しい2月
「いつか訪れなければ・・・」と、ずっと思っていた場所に
ようやくたどり着くことができました
第二次世界大戦中の殺人工場とでも言うべきこの強制収容所は、
クラクフの西54キロの所にある町・オシフィエンチムの郊外にあります
ドイツ名、アウシュビッツ。
アウシュビッツは思ってたより敷地が狭いように感じました。
バラックが整然と立ち並んでいて、
各バラックの中にはテーマ毎に展示品が並んでいます
(注:これは企画展でした)
犠牲者のポートレ-トが壁を多いつくし、囚人棟、飢餓室、監禁室、
そして、ナチスが収容者から没収した生活用品や、義足、髪の毛、
眼鏡などを見ることができます
収容所の入り口に近い、24番バラック。
ここは、ユダヤ人以外の囚人女性が売春をさせられていた場所です。
男性囚人の労働意欲を上げるために、つくられたといいます
しかし、その事実は歴史の闇にかき消されてしまって、
アウシュビッツでもらった説明書には、
なにも書いてありませんでした。
私はその事実を、帰国してから、NHKの番組で知ったのです
そこに閉じ込められ、
無理やり男の相手をさせられていた女性たちの苦しみを知る術は、
想像する以外にありません。
アウシュビッツを訪れたこの日、
とても寒かったけれど、太陽がでていて明るかったのですが、
ここを取り巻く雰囲気は違いました
足を進めていくうちに、胃がムカムカしてきて眩暈があり、
足がすくんで入れない場所がいくつかありました
収容者の身に起きた恐怖を感じているような気分だったのです
シーズンオフのため、観光客はほとんどいませんが、
今の時期は、ポーランドの学生が、
社会科見学や修学旅行で訪れるそうです。
日本人、特に若い人たちはあまり、アウシュビッツには来ないそうです
(2008年、日本の高校生が修学旅行でアウシュビッツを訪れています)
アウシュビッツには、独特の雰囲気があります
この場所を、ただの「負の遺産」と捉えるか、
その先にある「未来」や「希望」も感じるか。
それは、来た人それぞれに、
ゆだねられていると思います
ガス室。