イラクを振り返る

2004年に立ち上げられた、JIM-NET
8つのNGOや企業からなる、
イラク医療支援のためのネットワークです

私が所属する、日本チェルノブイリ連帯基金が、
JIM-NETの構成団体の一つなため、
私は2006年から、イラクの医療支援に関わっています

イラクでは、
1991年の湾岸戦争以降、
そして、
2003年のイラク戦争以降、
白血病や癌の子どもたちが増えています
原因は、
劣化ウランではないかと、言われています

じゃあ、劣化ウランはどこからやってくるのか?
原発でウランを燃やす際にウランを濃縮して、ウランの濃度を高めます。
すると、カス(ゴミ)が大量にでます
ウランと名がつくからには、もちろん放射能を帯びています。
そして劣化ウランは重金属です。
この厄介な金属の処理に困ったアメリカは、
「対戦車用」の武器に使えると、
兵器にすることで、問題を解決しようとしました。

しかし、もっと大きな問題を引き起こしたのです
イラク人の間で、
先天性疾患や悪性腫瘍などの病気が増え始めました
サダム時代に経済制裁を受けていたイラクには、
充分な医薬品や医師の技術がありません。
特に抗癌剤の輸入は禁止されていました
何故なら、抗癌剤は強い薬なので、
化学兵器として使われたら困るからです
→というのが、アメリカの言い分。

日本でなら助かる命が、イラクでは助からない

劣化ウランの半減期(放射能が半分になる時期)は、
45億年
ほぼ永久に除染できないということです。
いちど、放射能で汚染された大地は、
永遠に元に戻らないのです

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2006年3月の医療者会議です。
イラクのドクター、日本のドクターが約10名集まり、
過去半年の支援の成果、
今後半年の支援のプランについて話し合います

そして午後はドクター同士の、ケースカンファレンス。
具体的に治療を行ったイラクの患児たちのケースを取り上げ、
日本の治療方法を示しながら、
よりよい治療について話し合います

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これは、
2006年9月の会議です。

イラクでは、癌の治療で使われる抗癌剤やモルヒネは、
化学兵器として使うことができるということで、
これらの持込がかなり厳しくなっています
→現在は、手に入りやすくなったとのこと。

そして
劣化ウランは、日本人である私たちにとって
他人事ではありません。
アメリカがイラクに落とした劣化ウランは、
日本の原発からでたゴミだからです

私たちの豊かさの裏には、
イラクの人々の悲しみがあるのです。

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