JENというNGOは、
先日のパキスタン地震の緊急支援のため、現地で活動を行っています。
今日は霞ヶ関某所で、その報告会が行われました。
場所柄か、スーツのビジネスマンやOLが多く見られました。
映像を見ながらわかりやすい解説をしていただき、
また参加者の質問がとても的確だったため、
パキスタンの現状を、把握することができました。
まず、具体的に現地で必要とされてるものは、
これからの寒さを凌ぐのに必要な、毛布とテントです。
毛布1枚は¥1000で購入でき、
テント1ハリは、¥20000で購入できます。
JENは、これらの物資をカラチ(パキスタン)で購入しています。
これには輸送費を節約することと、現地の経済を潤すという目的があります。
今のところ、JENでは200ハリのテントを提供しました。
ここまでかかった経費は約1臆円。
まだあと250ハリ必要としているので、あと1億円は必要との事。
しかし、パキスタン地震の募金はほとんど集まっていないのが現状で、
現地での活動が思うようにいかないと、話していました。
なぜ、募金が集まらないのか?
その原因の一端は報道にあるのではないか?という意見が参加者からありました。
まず、地震報道はニューデリー発になっているとのこと。
つまり、伝える側がきちんと把握していないのでは?
インドにいては、情報が掴みにくいのでは?
そしてパキスタンは核実験を強行した国でもあります。
そんな国家間の外交上の思惑もチラホラ・・・?
イスラマバードでは日本人の小さな命が奪われており、
そちらのほうに日本の報道が集中しているというのもあります。
とにかく言えることは、パキスタンの状況が
あまり日本に入ってきていないということです。
映像では、イスラマバードは壊滅的状況のように見えましたが
実際に被害が大きかったのは、日本人被害者が出たあの地域くらいで、
あとはそうでもないそうです。
逆に、農村部山間部の方が壊滅的状況との事。
今回の緊急支援では、世界中から古着が集まっているらしいですが、
古着を配布するにも技術が必要らしく、
ヘタすると、きちんと必要な人に必要なものが平等に渡りきらないという
状況が発生します。
今回のパキスタンでもそういう状況が起こっているらしいです。
パキスタンは軍が支配していますが、古着の配布も軍が行っており、
配布するのではなく、適当に置いておいて、
「ここから好きに持っていって」状態だそうです。
善意で集まったものが、こんな風に扱われているのはツライですね
パキスタンでは、家畜が財産です。
山間部では家畜を移動させることができないため、どんなに被害が大きくても
避難できないという状況が起こっています。
そのため、家畜を守るためにはテントの配布よりもトタン板の配布が必要とのこと。
トタン板であれば、人にも家畜にも使えます。
そんな風に、現地で聞き取り調査を行ってくれているNGOがあるからこそ、
私たちは、具体的にどのような支援をすればいいのか把握することができます。
これらの情報は、メディアではなかなか流れない情報です。
それならば市民間で情報交換する必要があると思います。
実は上記の内容は、この報告会の参加者の活発な質問から得た情報です。
NGO側はもっと、「いつまでに、どんな支援をしたいので、いくら必要です」
と具体的に訴えていく必要があると思いました。
そして私は緊急支援の報告会に出席するのは初めてで、
どんな質問をすればいいのか分からなかったのですが、
今回の報告会に出席したおかげで、緊急支援はどこに着眼点を置いて
活動しているのか、なんとなく分かってきました。
今後はいろんな質問をして情報を得ることができると思います。
報告会後の様子