車椅子とバリアフリー

私が看護の仕事を始めて数年たつが、
よくよく考えてみると、
車椅子に乗ってる人を外に連れ出す、
いわゆる「外出介助」は、今までしたことがなかった。

施設に入所している人たちを、
レクリエーションの一環で、
バスを貸切り、美術館→イチゴ狩りに出かけた。
参加者は14名。そのうち、車椅子使用者は5名。

実際に車椅子で歩道を歩いてみると、
ちょっとした段差や窪みが気になる。
私はまだ若く体力があるからいいが、
これからの世の中は、ますます「老老介護」が進む。
体力のない高齢者が、凸凹の歩道で車椅子を押すのは、
ちょっとキツイかもしれない。

バリアフリーを売りにしている美術館。
しかしどうやら、最初からバリアフリーに建てたのではなく、
あとから改築した模様。
そのため、バリアフリーが中途半端で、
スロープがとっても急だったり、
併設されてるカフェのトイレに車椅子が入らなかったり、
いろいろと問題が生じた。

そのカフェでお茶をしていると、
店員さんがお菓子を売りに来た。
思わず手を伸ばすヘルパーさんたち。
利用者さんたちも「おいしい!」と喜んでいた。
もちろん私もいただいた。
その時、施設長が、
「嚥下困難で食べれない人もいるんだから、配慮してください!」と
店員さんに一喝!
ちょうど私の斜め前には、
普通食が食べれないTさんが座っていた

こんな時、
「私なんかが看護師でいいんだろうか・・・」と自己嫌悪。
しばらく立ち直れなくなる。

外出の付き添いはかなり神経を使い、体力的にも疲れたけど、
おじいちゃん・おばあちゃんの嬉しそうな笑顔を見ていると、
「行って良かった」と思うし、
疲れも吹き飛んでしまった。

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イチゴの高さがこのくらいだと、
車椅子の方や、膝を曲げるのが困難な高齢者も
気軽にイチゴ狩りを楽しめます

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