DAYS JAPAN 2月号より
世界中では、多くの海洋生物が環境の悪化や乱獲によって
絶滅の危機に瀕しています。
海亀もそのひとつで、
海亀の油や甲羅、卵が目的で乱獲されています。
海亀の繁殖で世界的に有名な、
メキシコ・オアハカ州の太平洋沿岸でも同様で、
多くの生物学者やボランティアたちが、
産卵した卵を安全な場所に移したり、埋めたりします。
ここでは、たくさんの野犬が、海亀の産卵をまって、
卵を食べるために海岸をうろついています。
もちろん、密猟者も現れます。
それと同じようなことが、
東南アジアでも起こっています。
ELNAは、
インドネシアの海亀の保全活動を行っている団体です。
インドネシアでは、海亀が急激に減少しており、
それは、インドネシアでは海亀の卵が食用として
経済価値をもっているためと言われています。
卵の売買が地域経済を支えているので、
「卵の乱獲をやめなさい」と言っても、
それは、全く現実的ではありません。
その結果、ELANが行っていることは、
卵を採取している人たちに、それなりのお金を払って卵を引き取り、
自然孵化させるというもの。
そして彼らには、卵の監視もしてもらっています。
この方法だと、「卵の保護」「地域住民の生活保護」という、
2つの問題が解決できるわけですが、
根本的な解決にならないため、批判があるのも事実です。
ゆくゆくは地域住民に、
他の生産活動を提案するのが一番だと思うのですが、
時間がかかっても、根本的な解決方法を見つけ出せるといいなあと、
思います。