トリビル難民キャンプ

私が関わっている、
日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)は、
JIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)の構成団体の1つで、
イラクの医療支援を行っています

そんな中、今回私は、
11月~12月にかけて、ヨルダン、シリア、イラクに行ってきました

まずは、ヨルダンに到着早々、トリビルの難民キャンプへ
ここは、JIM-NETの構成団体の1つである、
スマイルこどもクリニックがプロジェクトを行っており、
今回の大きなミッションは、インフルエンザワクチンの接種でした

メンバーは、小児科医2人、看護師2人、薬剤師2名。
そのうち1名の薬剤師はヨルダン人で、
ヨルダンでは、薬剤師が注射を行っていいことになっています

私とヨルダン人薬剤師が主に大人の予防接種を引き受けました

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ここトリビルのキャンプは、
ヨルダンから国境を越えて、イラクの国境そばに位置しています
ノーマンズランドの中にあるのです

どういうことかというと・・・
今イラクは戦争状態なので、戦争状態にある国との国境には、
数キロに渡り、ノーマンズランド(非武装地帯)というものが存在します

ヨルダンとイラクのノーマンズランドは、2キロ~3キロくらい。
そのうち、ヨルダン側半分はヨルダン警察の管轄で、
真ん中からイラク側半分がイラク警察の管轄になっています

過去にも何回かこのブログでトリビルの紹介をしていますので、
是非読んでみてください

初のノーマンズランド
医療のないところで生きる

今回の予防接種の対象者はキャンプにいる190人余の難民たちです

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予防接種を行う私です
190人以上を5人で注射するので1人あたり約40人。

私たちが訪問したときに医療処置を行っている大きなテントに、
みんなを集めてもらうことにしました
どのくらい時間がかかるのかな~・・・と思っていたら、
100人を越えたところで、列が途切れてしまったのです
残りの人たちは、
「私はやらない痛いからやらない」と拒否する人たちばかり

来ないなら、こちらから行こうと、
スマイルこどもクリニックの看護師がテント訪問することになりました

そんなやり取り・準備をしているうちに、
「先生、診てください」と、体調の悪い人が、
テントにドッと押し寄せてきたのです

私は先生の問診を手伝うため、
事前に患者の名前と年齢を聞き取り、カルテを準備し、
それと同時に、先生が問診している患者の症状をカルテに書き込み・・・
割り込む患者を制止し順番を守らせ、すぐにいなくなる通訳を羽交い絞めに()
→ここの難民はイラン系クルド人で、英語ができる人がほとんどいません。
そして、薬が処方されたらカルテを薬剤師にまわす。

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ひゃああああ~~
と、めまぐるしい、嵐のような診察が終わり、
ワクチンも結局は160人が接種しました

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外はすでに夕暮れ
赤く染まる国境のゲートを見ながら、
「ここの人たちは、いつまでここで暮らさなければならないのだろう」と

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フェンスにへばりついている、こんなボードを見つけました。

6月20日は、「世界難民の日」です。
それを受けて、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)に対して、
「6/20の世界難民の日が悲しい」と言ってるのです
→しかし、condole という単語を知っているあたり、
 知的レベルの高さがうかがえます
 ここのいる人たちは、長い人では30年近く難民生活なのですから

私はあなたたちのことを忘れない。
自分にできる方法で、あなたたちのことを日本で伝えるから。

このキャンプで夕日を見るたびに、
心にそう誓うのです

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この向こうは、ヨルダンの国境です。

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2 件のコメント

  • 去年パリで 亡命した中東の方に会って
    自分の日常に 考えられないこと。
    難民、戦争、生活困難 が 確実に
    今 あって。
    様々に 考えております。
    現実を ありがとうございます。 

  • ふかふか猫さま
    コメントありがとうございます!
    イラクに限らず、
    世界を訪問して経験したことは、
    知った者の責任として、
    一人でも多くの人に伝えなければ、
    と思ってしまいます