松本で、故郷を語る

4月19日に、ベラルーシ共和国ゴメリ州ベトカ地区の
ナージャ先生(産婦人科医)が来日し、
ご自分が院長を務めるベトカ地区病院の話、
地区全体の話をしてくれました~(* ̄∇ ̄*)エヘヘ

naja

右がナージャ先生、左が通訳のイリーナさんです

ベトカ地区は、埋葬の村(ゾーン)が59あり、
地区全体は、3つに別れています。

セシウム137の放射能の汚染度により、
→セシウム137の半減期は約30年。土地や食物にとどまり、
 人間の筋肉や卵巣に蓄積しやすい。

①モニタリングが必要な5キュリー以下
②移住が可能な5-15キュリー
③強制移住15-40キュリー

そのせいで、
事故前年の1985年にはベトカの人口が40089人だったのが、
2009年には19280人まで減っています

死亡率は増えているけど、出産率が減っているのも原因です

ベトカ地区は医師や教師の50%が移住してしまい、
逆に、カザフスタンやウズベキスタンなどからの移住者が増えました。
つまり、仕事がなく住むところがない人が、移ってきたわけです

ちなみにベトカの中央部はセシウム137が40キュリー以上あり、
30-40キュリー以上の土地に住んでいると、
内部被曝の確率が高くなります
子どもたちも森に入って、きのこやベリーを食べ、ミルクを飲んでいますが、
どれも放射能が蓄積されやすい食べ物です

じゃあ、ベトカの死亡率は癌や白血病が一番かというと、
そうではありません。

死亡率の1位は心疾患。
2位は老衰。
3位は悪性腫瘍。

ベトカで問題なのは、急性被曝ではなく、内部被曝です。
なので、急激に癌や白血病が増加して、目に見える形で増えるわけではありません。
そうではなく、食べ物や飲み物から放射能を体に取り込むことで、
シミシミ、ジワジワと四六時中体内から放射能を浴び、
少しずつ被曝していくわけです。
それは、いつ病気が発症するかわからないので、
原発事故との因果関係が、いまいちわかりにくいのです

事故から24年たった今、
ベトカの大人たちは、健康診断の重要性を理解せず、
学校給食でも、ベトカ地区で採れたモノが普通に出されます。

しかしナージャ先生はこう言います

レベルの高い検診を行い、
早期の診断で、ベトカの健康状態を安定させたい。
特に、子ども、妊婦、母親・・・
遠い村に住んでいても、ハイレベルの医療を受けられること。
医療器機を購入して、施設のレベルを上げたい。
原発事故の被害を最小限に抑えたいのです。

私は数年前からナージャ先生と付き合いがありますが、
ナージャ先生は、
世界最先端の医療をベトカで実践したいと言ってるわけではありません。
日本の病院には普通に置いてある、保育器やドップラー付き超音波さえない中で、
病気と格闘してきました。
せめて、「治る病気が診断・治療できる域に達したい」ということだと思います

私が助産師になったら、ベトカでお産をやりたいなあ~(*’-‘*)
そんなことを思うのであります。

ありがとうございます。
mana

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