PKSで、小菅信子先生を招き、
「日本が体験した過去の「戦後和解」のプロセスを、現在の日本が抱えている
日本と韓国や中国との関係、PKSが課題とするイスラエルとパレスチナ問題へ
応用できないか」(PKSより抜粋)
という講演を行いました。
残念ながら私は参加できなかったのですが、
小菅先生の著書、「戦後和解」から読み解くことができます。
日本とイギリスの間には、第二次世界大戦中に日本が英軍捕虜に対して
ひどい扱いをしたということで、反日的な感覚が一部の人々の間には
根強く残っています。
小菅先生によると、日英間の和解がそれなりの成功したのは、
民間人の努力によるところが大きいとして、それにまつわるエピソードを
いくつか紹介しています。
戦後の和解のキーワードは、
かつてはto forgive is to forget(許すことは忘れること)であったのが、
今ではforgive but not forget(許すが忘れない)だそうです。
「苦しい過去」に目をつぶるのではなく、それが生み出す反感を
「新たな火種とせず、むしろ共感と相互理解へと促していく」ということが必要で、
そのために日英和解においては、旧軍人同士の「再会」活動が相互理解の第一歩となったのだそうです。
それにひきかえ日中間の場合は
「過去の戦争をめぐる感情対立をエスカレートさせる、
相互に似た思い込みや不信感」があり、
それを解消する努力が双方で殆ど行われていない、と小菅先生は言っています。
私は日本人なので、中国や韓国の反日について考えがちですが、
世界中には対立しあっている民族、国家がいろいろと存在するんですよね。
イスラエル・パレスチナ、英国・アイルランド、東ティモール・インドネシア
などなど・・・
小菅先生の言う、「和解のキーワード」と市民レベルでの努力により、
民族間の(国家間の)和解は、他でも応用できるのではないかと
思います。