母たちの村

今、岩波ホールで、
興味深い映画を上映しています。

「母たちの村」

アフリカ映画の父、と言われている
ウスマン・センベーヌ監督が手がけた映画です。

「FGM」というのをご存知ですか?
このブログでも以前書いたことがあるのですが、
FGMとは、「女性性器切除」のこと。
FGMには、4タイプあると言われており、
性器を切除する、
または切除した後に縫い付ける習慣のことです。

イスラム教の習慣だと言われたりしていますが、
それは誤解です。
コーランには、そんなこと書いてありません。
アフリカを中心にいろんな民族が通過儀礼として行い、
2000年以上続いています。

アフリカだけでも1億3000万人以上の女性がFGMを受けており、
今でも毎日8000人、年間300万人の女性・少女が犠牲になっています。

「これは女性に対する暴力」だということで、
先進国の女性はもちろんのこと、
アフリカの女性たちが次々に立ち上がっています。
世界女性会議でも取り上げられていますし、
先進国側の、「難民受け入れ」の条件の項目にも入っています。
つまり、FGMを受けたくなくて亡命してきた女性を、
難民として受け入れることができるのです。

いまだに、
当事国の人たちからも、先進国の人たちからも、
「他国の伝統に口を挟むべきじゃない」という反論があります。

しかし、FGMが原因で多くの女性が命を失っており、
深刻な後遺症に悩まされており、
時には、その後遺症が原因で離婚させられることもあるのです。
これは女性に対する暴力・人権侵害以外の何ものでもありません。

FGMというセンシティブな内容を扱ったのが、
「母たちの村」なのです。
私がFGMについて初めて知った10年前は、
映画の題材になるどころか、
会話の話題に出すのも難しい状況でした。
それを思えば、物凄い進歩です。

娘にFGMを受けさせていないヒロイン。
彼女のところに、FGMを逃れた4人の少女が駆け込んできます。
伝統を打ち破るときの、多大なる代償。
それでも命をはって、女性の尊厳を守ろうとするヒロイン。

エンドロールが流れるとき、
BGMの日本語字幕も流れます。
「娘を立派な花嫁にしたいなら、教育を受けさせなさい」

日本で唯一、FGM廃絶に取り組んでいるNGOがあります。
WAAF

110~130台を行ったりきたり
しています。

11~14番を行ったりきたり
しています。

「FGM(女性性器切除)」関連記事一覧です。

2005年7月29日 WAAF(FGM廃絶を支援する女たちの会)の紹介
2005年9月11日 ケニアの女性とFGMの報告会①
2005年9月18日 ケニアの女性とFGMの報告会②
2005年10月29日 FGMに関する国際シンポジウム
2005年11月03日 FGM廃絶の現場から~国境を越えた連帯
2006年8月02日 母たちの村
2009年5月18日 ゼロトレランス・デー in 2009
2010年7月02日 アフリカンフェスタ2010 in みなとみらい

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