食料の分配問題

テレビや雑誌などで、
アフリカの子どもたちが、配給された食べ物を食べる姿を
見たことがあるのではないかと思います。
もし見たことがなくても、
「世界には食べ物がない人がいる」という話を
聞いたことがあると思います。

「食べ物がない」

この理由はどこにあるのでしょうか。
世界中の食料が足りないから?

本当にそうでしょうか?
世界には、人口の1.7倍の食料が存在します。
世界の穀物生産量は18億~20億トンで、
先進国の一人当たりの穀物消費可能量は300キロです。
しかし実際の消費量は500~600キロ。
かたや、途上国の一人当たりの消費量は200~250キロです。
ちなみにこの「消費量」の中には、
「家畜の飼料」が含まれています。

数字だけを見れば、先進国では食料が余っている、
過剰摂取していることになります。
先進国での「穀物消費可能量」である300キロを大幅に上回っているから、
途上国の食料が足りなくなっている。

つまり、食料の分配に問題があるわけです。

多くの途上国では、
購買力が低いため、食料が足りなくても輸入することができません。
また外貨を獲得するために、
自国で消費する農作物より、先進国で高く売れる農作物を生産します。
そのため折角作っても、国内にはなかなか供給されないわけなのです。

そして問題なのが、
先進国では、人間より家畜が穀物を消費しているということです。
「食料の消費」には、
直接穀物を食べる「直接消費」と、
穀物を家畜に食べさせて、その家畜を人間が食べる「間接消費」があります。
先進国では大量の肉を食べていますが、
食肉は、直接穀物を食べるより効率が悪いのです。
食肉で穀物と同じカロリーを得るには、6~7倍の穀物が必要になります。
つまりどういうことかというと、
6~7カロリーの穀物をを消費してはじめて、1カロリーの食肉が作られるのです。

ちなみに先進国では、
穀物の70%が家畜の飼料として使われます。
途上国では30%にすぎません。
世界には7億~8億の人が飢餓にあっています。
一方で先進国では、肥満や生活習慣病が蔓延しています。
世界中から食物を大量にかき集め、余ったら捨てているのです。
私はこれに不条理を感じていますが、
では、肉は食べなければいいのか?
ベジタリアン(菜食主義)になれば解決できるのか?

ベジタリアンになれる人はそれでいいのかもしれませんが、
多分多くの人たちにとって、「肉禁」の生活は苦しいと思います。
私は幸か不幸か、牛肉は好きではありません。
しかし、鶏肉は大好き
そんな私ができることは、
今までより肉の消費量を減らすこと。
ゆっくり食べて満腹中枢を刺激することで、腹8分目にとどめること。
そして、注文した食事は残さない

食物を大量消費しているのは外食産業なのに、
私たちがそんなことをして意味があるのだろうか?
とも思います。
しかし、そういう世界の現状を知ってしまったら、
何かせずにはいられません。
企業のせいにして、自分はそこから目をそらすなんて
私にはできないのです。
一人一人が自分にできることから始めるのが
一番だと思います

国連世界食料計画(WFP)
ハンガー・フリーワールド

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