東京高裁では、
海南島「慰安婦」裁判が行われています。
海島(ハイナン)島は、「東洋のハワイ」と言われる
暖かさと美しさで、リゾート地の一つです。
私は写真でしか見たことがありませんが、
約60年前に日本軍がハイナンを侵略し、
慰安所をつくって女性たちを強姦していたことなど、
想像がつきません。
しかし、そういう過去があったことは、
事実なのです。
ハイナンネットは、
10代~30代の若者で構成される、
裁判支援団体です。
東京地裁では、裁判官が証人申請を行おうとしなかったり、
裁判官の配置換えが突然あったり、
「国にとって、どうでもいい、やる気のない裁判」
というのがアリアリで、
結局、原告の訴えは棄却されたそうです。
そして東京高裁に上告。
私は、東京高裁に行くのは初めてだったので、
ワクワクしながら、久しぶりの傍聴に向かいました
しかし、着いてみてビックリ
地裁と高裁は同じ建物の中にあるなんて!!
そして、傍聴席はすでに満席
裁判の一番の支援は、「傍聴する」ことです。
満席になれば、それだけ裁判官と国にプレッシャーを
かけることができます
この裁判のポイントは、
①戦前の国家が行った犯罪を、今の国家が責任を取らなければならないのか。
②一個人が、国を相手に戦後補償請求ができるか。
というところです。
国は、
①サンフランシスコ講和条約の「14条B」
②日中共同声明
をもちだし、
「一個人の補償請求権は放棄されている」と言っています。
これは、裁判所がこじつけて解釈しているだけであって、
①に関して言えば、
国家の賠償権と連合国・連合国民の請求権は放棄されていますが、
中国はサンフランシスコ講和条約に招請されていないのです。
そして②に関して言えば、
中国政府の賠償請求権は放棄しているけれど、
中国国民の請求権放棄については、
一切ふれていません。
①②を持ち出して訴えを棄却するというのは、
戦後補償裁判での裁判官の、
常套手段だそうです。
とりあえず、高裁では、
証人申請が2人、すんなり決まって
傍聴席から拍手が起こりました
従軍慰安婦の被害女性たちは
高齢化が進み、
亡くなられた方々もいます
彼女たちは多くは望んでいません。
お金が欲しいわけでもないのです。
ただ、心からの謝罪が欲しい。
それだけです。
今でもPTSDに苦しめられてる被害者がほとんどで、
結婚も出産もできなかった人もいれば、
白い目で見られながら生きてきた人たちもいます。
強姦、しかも繰り返される強姦は、
人格破壊につながります。
それでも、今の国に責任はないのでしょうか?
戦前だろうと前後だろうと、日本は日本でしょう?
今後の裁判を見守っていきたいと想います