最近、欧米を中心に、
カーボン・オフセットのビジネスが盛んだと聞きます。
カーボン・オフセットとは、
二酸化炭素を吸収したり、減少させる活動のことを言います
例えば、日本から韓国に飛行機で移動した場合、
その時に排出される二酸化炭素を計算して、
それを相殺するだけの植林をするとか、省エネをするということです
ヨーロッパで実際にある試みとしては、
航空券代の中に、二酸化炭素排出を相殺させるだけの、
植林の費用が含まれている、というものです。
また、イギリスのあるタクシー会社では、
タクシー料金に植林の費用代が加算されて請求されます
そして欧米では、カーボン・オフセットを広めるために、
「オフセットマーク」というものを作って商品に貼り、
その商品が作られる過程で排出された二酸化炭素を相殺する分の
植林の費用が料金に含まれています、と
一目で分かるようにしようと考えているそうです
私たちは、旅行もしたいし美味しい物も食べたいし、
おしゃれもしたい
だけれども、それと同じくらい環境のことも考えたい。
そんな時、活動の中で生じた二酸化炭素を計算し、
その分をどこかで相殺させればいいのです。
「相殺」するのに、主に行われていることは植林です
私はカーボン・オフセットも植林も悪いことだとは思いません。
でも、そこには落とし穴があると思うのです
まず、温暖化を防止するのに一番有効なのは、
やはり省エネです
省エネ以上に効果があるものはありません。
まずそこは、きちんと押さえておかなければならないと思います。
カーボン・オフセットは、
私たちの快楽の「免罪符」になりはしないかと、
私は危惧してしまいます。
「使った分は、あとで相殺させるから、まあいっか」というような
そして、よくよく考えると、
飛行機に乗ればオフセットができて、車に乗ればオフセットができて、
買い物をすればオフセトができて・・・・
つまり、二酸化炭素を排出すればするほど、
オフセットができる、という仕組みですよね?
それって、なんだか矛盾していないでしょうか?
ヨーロッパでは2008年から、オフセットが義務化。
日本でも、来年のサミットでオフセット宣言をすると、
森元首相は言っています
そして、植林は植林で問題をはらんでいます。
植林をすると、いいことをしている気になってしまうんですよね。
でもそれは、ほんとうに地球のため、地元の人のため、
私たちのためになっている植林でしょうか?
木は育つのに時間がかかるため、
すぐに二酸化炭素吸収の効果が出ない場合もあります。
また、折角植えても、自然災害や伐採に巻き込まれることもあります。
そして早く成長するユーカリや松などの単一樹種は、
地下水の枯渇や土壌の酸化などいろんな問題を引き起こすので
植林には適しません
でも、「植林=ユーカリ」というくらい、
ユーカリを植林している団体は多いのではないでしょうか?
タスマニアなど、ユーカリの原生林がある場所での植林は、
もちろん話が別です
つまり私が言いたいことは、
カーボン・オフセットにしろ植林にしろ、
「お金は払うから、あとはよろしくね」ではなく、
自分がお金を払った結果、そのあと何が起きているのか
確認する必要があると思うのです
しかし、オフセットシールが貼られてる商品をかったり、
旅行会社から言われるままに航空券代を払うだけでは、
本当にオフセットが行われているのか、
適切な植林が行われているのか、見えてきません
オフセットするからには、最後まで責任を持たなければならないと思うのです
そうなると、
「じゃあ、どこの団体がきちんと植林をしてオフセットしているの?」
ということになります。
自分たちで探すのには、時間も手間もかかりますよね。
そんな時に活用したいのが、
carbon to forestsです
自分が排出した二酸化炭素を計算してくれるし、
植林を行っているNGOや企業の情報も豊富に持っています。
ここの代表の國田さんは温和で優しい方なので、
質問をすれば丁寧に教えてくれます
カーボン・オフセットをしてみよう!
という方は、是非この団体を活用してみてください