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数年前からずっと参加したいと思っていたこの講座。というか、東京都埋蔵文化財センターのイベントはどれも知的好奇心がくすぐられてワクワクします!!!
多摩センターの駅前に「竪穴式住居」が2つも作れるスペースをもっていて、そこはドングリなどの木々に囲まれていて雰囲気も素敵!さすが多摩地区です!!
縄文ランチのメニューはこちら
私はてっきり、『縄文クッキー』を作る程度かな~と思っていたら、受付で竹のお皿と『メニュー表』が配られてビックリ!
品数は5つもあって、めっちゃ充実した体験ができそうな予感~!!わくわく!!
集合場所である「竪穴式住居」の前に行ってびっくり!!こんなに人がいるんだあ~!!私は募集締め切りギリギリに応募したのに当選したから、人が少ないから「お情け」で参加させてもらったんじゃないかと思っていました。
そしたら参加者は約30名で、私のように1人で参加する人もいれば、家族で参加したりお友だちと参加したり、様々な人たちが集まりました。これなら、夫も誘えば良かった・・・そして私たちが安全に楽しくイベントが進行できるように、7名のスタッフの方がいらっしゃいました。参加者は2グループに分かれて、料理を開始~!!
どんぐりのロースト~3種類の食べ比べ
メニュー表には『3種類』となっていましたが、実際にはもう1種類「ツブラジイ」も味見することができました。ツブラジイとはスダジィを黒くしたようなどんぐりで、でも専門家の方でもそれが本当にツブラジイなのか良く分からないとのこと。
「皆さんが実際に食べてみてその違いを感じてみてください」と。スタッフの方が鉄板の上で焼いたどんぐりを各人手に取って食べてみました。
左から、ツブラジィ、スダジィ、シリブカガシ、マテバシィです。
実際に食べてみて、この左からの順番に美味しかったです!マテバシイは甘みが最初の一瞬だけであとは渋い感じ。ツブラジィ、スダジィの方が、甘みが最後まで口の中で残るので食べやすかったです。
秋の縄文鍋
材料は、マイタケ、シメジ、ナメコ、ゴボウ、ヤツガシラ、猪肉、昆布、塩そしてどんぐり団子(マテバシイ、長芋、ウズラの卵、鶏肉)を入れます。
まずは、猪の肉を切ります
福井県産でわざわざ猟師さんに捕ってもらたんだって!でね、黒曜石の石器を使って猪肉を切りました!!
黒曜石は世界的に石器として使用されていてガラス質とのこと。上から縦に切ったら一回開いて、
そしてまた上から一直線に切ります。その繰り返し。石器を上下に動かして切ろうとすると、刃こぼれをして細かいガラス質の黒曜石の破片が肉の中に残ってしまうので危険とのこと。
実際に切ってみると、案外これが難しい~!!特にスジ張ったところはなかなか切れません。一口大にしてバットに置いておきます。
次はヤツガシラです
包丁とピーラーが準備されていて、私は断然ピーラー派。皮はなんでもピーラーで向いてしまいます。それだけ包丁の使い方がへたっぴ、ってことなんだけどね。。。
芋は手が痒くなるのでササッと皮むきしたい。すると、同じグループの方が「木の枝で擦ると簡単に剥けるよ~」と。スタッフの方は「芋同士を擦り合わせると皮が剥けますよ。昔の人はそうやって剥いたのかもね」って。私は他の人が拾ってきた木の枝を使わせてもらって、皮むきをしました。
他のきのこ類も、石づきを取ったりして、一通り食材の準備が整いました~!
この後は煮ます!
昆布だしを摂った中に、どんどん具材を入れていきます。味付けは塩だけです。
1時間ほど煮て、そのお味は~???
塩味だけなのでちょっと物足りないけど、猪の肉に臭みがあるのでそれが良い味になっている感じです。鍋の中に入れる「どんぐり団子」は他のグループが作りました。見た目は「つみれ」だけど、味は思いっきり「どんぐり」です。外はモチモチ、中はどっしりと重い感じ。
石焼きどんぐりクッキー(埋文センターオリジナルレシピ)
材料はマテバシイ、スダジイ、くるみ、栗、ウズラの卵、長芋、蜂蜜です。
『栗』は甘栗のことで、当時はもちろん甘栗なんてありません。甘みをちょっと足すために入れました。縄文の人たちが蜂蜜を使用していたのは意外です。クッキーのつなぎに使用するのは『ウズラの卵』。当時、鶏はいませんからねー。長芋も、現代と同じものではないそうです。
くるみ割~
くるみはこのように石の台の上に乗せます。お尻が動かないように固定するわけです、くるみの尖った先っぽを上にして、そこを目がけて上から石を振り下ろします。
けど、くるみの皮は固くて、ちょー難しい!!!私は勢い余って自分の指を打ち付けてしまい、スタッフの方に「大丈夫ですかっ!!??」と言われる始末・・・
割れたら中身を竹串で取り出します。中の色が『白い』ものが新鮮とのこと。これが黄色いと油が飛んでしまっていて美味しくないとのことで、中身が黄色いものは捨てるようにと言われました。何か勿体ない気がしますが・・・
お次は、マテバシイ
マテバシイの場合は、横に置いてもOK。簡単にカラが壊れます。そして石でゴリゴリと擦って粉にします。
混ぜまーす!
混ぜ混ぜする物を粉にしたら、ボールでこね始めます。ウズラの卵を入れました。
少し固まって来たところで、蜂蜜を投入~~
みんなで形成タイム→焼きは、スタッフが
みんなで形成してバッドに並べていきます。この時の大きさはあまり広げず、薄く、という感じ。鉄板ではなく石板で焼くので火の通りが良くないのです。でも、ある程度ナマでも食べれます。
この時、参加していたある親子が、
母:「このメニューじゃ、当時の人はお腹いっぱい食べることはできないよね」
中学生の息子:「餓死した人とか、いなかったのかなあ~」
スタッフの方が言うには、ナッツ類はかなりカロリーが高いので、少量でお腹いっぱいになるとのこと。また、縄文時代には餓死する人がいたし、骨をCTで確認すると栄養失調で成長が止まっている人もいたとのことです。
で、石焼きどんぐりクッキーのお味は・・・?
うまいっ!!!これは、私の好みの味ですよ!!!ナッツ類がさくさくでお腹にたまる感じ!!!でも、2枚が限界で、それ以上食べるのは苦しい~~。。。スタッフの方が言うように、確かに少量で空腹感が満たされます。
縄文式石蒸し料理
材料は鮭、長芋、エノキダケ、塩
炭を作って石を焼いて熱々の中に、アルミホイルで包んだ具材を投入します~~
これは別のグループが作ったのですが、30分程で蒸し上がるとのこと。でもね、楽しみにしていたのに残念な結果に・・・
アルミホイルの巻が強すぎたのか、長いもの表面が焦げ焦げに・・・しょうがない!中をほじくって手で、鮭とエノキダケをいただきました。塩味だけで充分いける美味しさです!蒸し焼きって案外難しいんだなあ~
エゾ鹿のミニステーキ
最後の締めはこちら。
私たちのグループは猪の肉を石器で切ったので、別のグループはエゾ鹿を切ったようです。そしてそれをそのまま石板で焼き、味付けは塩だけでいただきます。焼き上がるのを見守る中、「塩はどこから来たのか・・・」という話になり、スタッフの方が長野県塩尻の話をしていました。
どんぐり祭り~~!
スタッフの方がどんぐりをたくさん持ってきていたのに、実際にそれを手に取って見てる人はほとんどいませんでした。これらは縄文時代にあったどんぐりですが、全てが食用というわけではなく、食べられない物もあるそうです。
特に、ジュズダマは食用ではなかったとのこと。
縄文食体験を通して、もの思うふ
私はあまり一般的ではない食生活をしていて、1日2食だし炭水化物は1食のみ。けど、そんな食生活にしてから身体がラクなんですね~。それって縄文の食生活に近いところがあって、でも大きく異なるのは「肉より野菜が好きで、肉はたくさん食べれない」という点。あ、ちなみに私は魚はほとんど食べません。
よくお友だちに、「国井さん、いろんなことやってて忙しそうだね~」と言われますが、それってこの食生活だからやってこれてる気がします。これが炭水化物メインで1日3食も食べていたら、アタマもココロもまわんない。なので、タンパク質に比重を置いた少食生活をしている私にしてみれば、縄文時代の食生活って凄く理にかなっている気がします。
もちろん、こういう食生活を人に薦めるつもりはありませんし、人ぞれぞれです。そしてどの食生活が健康に良いかなんて、時代によっていろんな研究結果が出るし、コロコロ変わるし「絶対的な物」なんてありません。
つい先日も「早起きは病気になる」という研究が発表されたばかり。今まで「早起きは三文の得」とされ、「朝活」が持てはやされているのに・・・
ただ1つ言えることは、自分の感性を研ぎすませて常に「心身の声」が聴ける自分でありたいと思います。