新宿の空の下で。

土曜の夜に考えること
新宿も寒くなってきました。
年末の温かい話①
ホームレスと病院
味噌の味
新宿の女性

新宿で、スープの会の活動に参加していると、
いろんな出会いがあります

新宿駅近くには、
ビッグイシューを販売している路上生活者の方々がいらっしゃいますが、
その一人であるAさん。
→ビッグイシューとは、路上生活者が販売する雑誌で、
 1冊300円のうち、160円が販売者の収入になります

Aさんとは今年の初夏に、はじめて会いました。
Aさんからビッグイシューを買い、
「いつから、ビッグイシューの販売をしてるんですか?」と聞くと、
「まだ2週間くらいです」と。

スープの会から、「路上脱出ガイド」をもらい、
そこに、ビッグイシューのことが載っていたので、問い合わせて、すぐに販売を始めたとのこと。

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「秋までに20万貯めて、どっかアパートに入りたいんです」と

それから数ヶ月。

先日通りかかったときには、Aさんはまだビッグイシューの販売をしていました。
寒くならないうちに、どこか住めるところが見つかるといいんだけど

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スープの会で、新宿中央公園付近をまわっていたときのこと

見慣れない、40代くらいの男性(Bさん)が座っていました。
声をかけると、九州から職を求めて上京し、
まだ1週間くらいとのこと

スープの会の連絡先を教え、福祉事務所に行くことを勧め、
味噌汁とパンを渡し、この時は別れました。

1週間後
Bさんは、同じ場所に座っていました。
「たった1週間でこんなに顔つきが変わってしまうの」と、
ちょっとびっくりするくらい、ウツっぽい表情をしてるんです
聞くと、福祉事務所では、
「若いんだから、働きなさい」とだけ言われ、
追い帰されたとのこと

その後、まわりにいるベテランホームレスのおっちゃんたちから情報を仕入れ、
なんとか職探しをしているようです。

しかしそれ以降、土曜日の路上訪問ではBさんに会えなくなったのです
近くのおっちゃんが言うには、
「平日は、そこに座ってることが多いけどなあ~。昨日もいたよ」と。
つまり、土曜日にはいなくなるということは、
私たちスープの会を避けてるのでしょうか・・・

まあ、元気でいてくれればいいのですが・・・。

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スープの会の路上訪問で初めて会った、Cさん。

前職を解雇され、寮を追い出され、家族とはとっくに別れ、
1人で路上生活をはじめてまだ数日とのこと。

路上生活から抜け出すコツは、
路上生活をはじめてすぐのころに、
まわりの人たちの手を借りて住むところを見つけ、
生活保護の申請をし、職を見つけることだそうです
→私はこの日、一緒に路上訪問したスープの会のボランティアさんに、
いろいろと教えてもらいました

私たちはCさんに、スープの会の連絡先を伝え、
そして福祉事務所に行くことを勧めました。
評判の悪い、新宿区の福祉事務所でも、
さすがに70歳を越えたお年寄りを相手に、ムゲにできないでしょう
そうしてCさんと別れると、そのボランティアさんが、
「あのおっちゃんは、ダメかもね」と。

どういうことかというと。
自ら路上生活を選ぶ人は、他者との協調性がなく、ルールを守れず、
勝手気ままに生活する人が多いのです。
また、アルコール依存症や精神疾患のある人も多いです。
このような方々は、シェルターやアパートで共同生活を始めても、
結局は長くいられず、自ら路上に戻ってしまう人も、
少なくありません

ちなみにCさんは、人の話を聞かない人で、自分の主張をするのみ。
不本意ながら路上生活を始めてしまったけれど、
ここから脱するのは難しいタイプの方かもしれません

その後、毎週のようにCさんとは路上で会い、
路上生活を脱出する様子は、今のところ見られないようです

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今日、新宿ではじめて会ったDさん。
Dさんからビッグイシューを買ったとき、
「どこで寝泊まりしてるんですか?」と声をかけてみました

Dさんは、この場所でしばらく販売をしているけれど、
売り上げが伸びず、1日の収入は1600円
食べるのがやっととのこと。
「しばらくしたら、販売場所を変えるかも」と言っていました

今はもう9月。
冬に向けて、路上生活を早く脱出したいという気持ちがあるのでしょう。

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私たちスープの会は、
路上生活者と個人的にコンタクトをとり、支援することは行っていません。
個人で支援するということは、それだけリスクを伴うからです
BさんにしろCさんにしろ、
個人的に福祉事務所に付き添って手続きを手伝ったら、
また違うのかもしれません。
しかし、彼らが本当に今の生活を変えたいと思うなら、
手渡した連絡先に電話をしてくるでしょうし、
何らかの行動を起こすはずです

私たちは日常生活の中で、初対面の見知らぬ人に、
携帯の番号は教えないでしょう?
それと同様、私たちも路上生活者に連絡先を教えないということであって、
特に彼らが、「危険人物」というわけではありません

今後も定期的に路上訪問し、1人1人に声をかけ、
彼らの声を拾って行きたいと思っています

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夜の新宿

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