障害と向き合って②

前回の、ラオスの車いすの続きです

難民を助ける会(AAR)では、
車いすを一台作るのに、12000円かかっています

基本的なスタンスとしては、
車いすを「配布する」のではなく、
「払えるだけ払ってくださいね」というもの
みなさん、一台あたり500円くらいは払ってくれるそうです
お金のない人は1$、お金持ちでは3000円
富裕層の中には、
「全額払うから早く作ってくれ」という人もいるらしく、
「国立」リハビリセンターと言えども、
そういう人は優先的に作ってしまうそう

もちろん、どうしても払えない人たちには、
無料で配布しています

その話を知ったとき、
私がタイのNGOで、古着の仕分けのお手伝いをしてたときのことを
思い出しました

そのNGOでは、タイ全土・海外から集めた古着を、
低価格で販売しています
配るようなことは、決してしていません。

なぜなら、少額でもお金を払って手に入れた場合、
それがもし破けたとしても、縫ってでも着続けようとします
簡単に捨てるたり、しないんですよね。
タイの古着のお話

車いすの場合も、同様だと思うんです。
少しでもお金を出して手に入れると、
「これは自分の物」という愛着や独占欲が沸いて、
簡単に捨てたり壊したりしないと思います

途上国と言われる国で物を配布したときに、
(残念ながら)よく起こることですが、
貧困のため、その配られたものを売って、
お金にしてしまうことがあります

例えば、私の身近な話で言うと、
薬がそうです

アフリカなどでマラリアの薬や、抗HIV/AIDSの薬を配布すると、
それをマーケットで流して、換金してしまうんですよね
しかし医者には、
「薬はきちんと飲んでるよ」と言うんです。

なので、
少しのお金でもいいので、「買ってもらう」という行為は、
とても大切なことなのです

今、AARでは、
3年後の撤退を目標に、
「今後の資金をどうするか」ということを考えています

まず考えたのが、
ラオスの企業からサポート(資金)を得る、ということ。
早速、リハビリセンターの人たちが、
ラオスの企業に営業に行き、契約の交渉を行います

もちろん断られることもありますが、
サポートしてくれる企業も見つかっています

そして、企業に資金を提供してもらう代わりに、
その企業の広告を、
車いすに、くっつけて、配布・販売しています

リハビリセンターの人たちは、
「自分の国のことは自分たちでなんとかしなければ」
という思いが強いんだと思います
だからこのプロジェクトも、
日本人任せにせず、積極的に自分たちで営業に行ったり、
車いすを渡した患者に、
使い心地をきいてまわったりしているんだと思います

そんな彼らが早く自立できるために、何かお手伝いがしたいな~~
と、私は思ったのであります

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