銀のしずく降る降るまわりに。

銀の滴降る降るまわりに、金の滴降る降るまわりに

アイヌ神謡集」のこの一文を初めて聴いたとき、
心が震える思いがしました
それは、今でも同じです

19歳のアイヌの少女・知里幸恵が、
アイヌ民族の間で口伝されてきたユーカラ(アイヌ民族の口承文芸)の中から
13篇選び、ローマ字表記し(アイヌ民族は文字を持たないため)、
日本語に訳したものが、「アイヌ神謡集」です

その13篇の中の1篇に、
「梟(ふくろう)の神の自ら歌った謡」というユーカラがあります

Shirokanipe ranran pishkan, konkanipe ranran pishkan
(シロカニペ ランラン ピシュカン、コンカニペ ランラン ピシュカン)
銀の滴降る降るまわりに、金の滴降る降るまわりに

日本語で「銀」のことを「しろがね」と言うし、
「金」のことを「こがね」といいますよね。
アイヌ語と日本語って、通じるところがあるのかなあ~と思ったりします

そんな風に、アイヌに関心を持ち始めた私ですが、
アイヌの言葉だけでなく、着物にも魅せられています

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左がチンジリ。
右がカパラミク。

チンジリは木綿に刺繍を施した、アイヌのアミップ(民族衣装)です
カパラミクは、木綿に白い布で文様を施したアミップ。
ちなみに、木綿に黒い布で文様を施してあるのは、
チカラカラペというアミップで、主に男性が着用します

アイヌで刺繍をするというのは、魂を入れることです
その時に思いついたものを丁寧に刺繍し、
それはつまり、自然と対話をする・自然の声を聞くということなのです

アイヌの刺繍には基本パターンが3つあり、
(赤線で囲ってある部分)

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渦をあらわす「モレウ」

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トゲをあらわす「アイウシ」
アイウシは、魔物が入らないように、袖口や裾に刺繍されることが多いです

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目をあらわす「シク」

モレウとアイウシとシクを組み合わせると、
こんな刺繍ができあがります

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アイヌの刺繍やアミップを見ていると、
畏怖の念を抱きます
神が宿り、魂が込められているからそう感じるのだと分かりました

アイヌは素晴らしい文化を持っているにも関わらず、
明治時代、北海道では「北海道旧土人保護法」という名の、
「アイヌ文化抹殺法」が施行されます。
シャモ(和人)と同化することを強要されたわけです

しかしそれはアイヌだけでなく、琉球や奄美でも同じです。
特に私のルーツである奄美は、
琉球に差別され、薩摩に侵略・搾取されました
奄美で採れる黒砂糖は、薩摩藩に巨万の富→明治維新をもたらしましたが、
奄美の人々は自由を奪われ、薩摩の奴隷と化したのです
ちなみに、その時の奄美の民衆の嘆きが、多くの「島唄」を生みました

自分の文化を大事にし、
違う文化も大切にして、
幸せに共生できる世の中を作りたいと、
改めて思う今日このごろです

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