地雷のない世界へ

去年1年間で、地雷の被害が一番大きかった国はどこでしょうか?

それは、カンボジアです。
カンボジアの内戦はすでに終わっていますが、
戦争が終わっても、被害が出続ける・・・
地雷とは、恐ろしい武器です

世界中に1億2000万個、300種類の地雷が埋められています。
84カ国8つの地域に埋められ、その半分は戦争が終わってる
ところです。
一日の被害は70人、1年にすると2万人。
しかし病院にたどり着けるのはその一握り。
地雷を踏んでから病院に着くまで平均10時間。
交通手段がない、病院がない、などの理由からです。

貧富の差、経済圧力が、人を地雷原に追いやっている、
という現実があります。
お金持ちは地雷原を避けて、都市部や安全な場所に
住むことができます。
しかし貧しい人たちは、生命を危険にさらしても、
地雷と隣り合わせの生活を強いられる。

地雷除去は、機械を使ったり、犬を使ったり、
さまざまな方法がありますが、
「万能品」はないので、土地にあわせていくつかの方法を
組み合わせるという、地道な手段しかありません。
地雷は1個300-500円だというのに、
かかる人件費はその100倍

地雷廃絶に向けてNGOのパワーが結集し、
対人地雷全面禁止条約(オタワ条約)を作ってしまったのは、
「すごい」の一言に尽きると思います

各国の地雷廃絶のNGOのベースがしっかりしており、
横(各国)のネットワークを強化する。
日本の場合、NGOと政府のパートナーシップを確立し、
国会議員で作られる、地雷廃絶関係の委員会の副委員長が、
当時の防衛庁長官だったというもの強みでした。

1996年第一回目のミーティングに参加した政府は8か国。
しかし、翌97年の調印式には122カ国が参加。
現在は151カ国が批准しています。

世界で地雷を多く保有している、アメリカ(1000万)、中国(1億)、
ロシア(1000万)が批准していない条約に意味があるのか?
という声もあります。
しかし、世界約190カ国のうち151カ国が批准しているので、
アメリカや中国も、そう簡単には使えなくなっており、
抑止効果はあります。

日本は地雷を100万個保有し、97年までは生産もしていました。
しかし2003年までにほとんど破棄しており、生産もしていません。
97年までの、地雷生産国は53カ国でした。
現在は13カ国に減っています。
しかし
とても残念なことに、その13カ国のほとんどが
アジア諸国です

ちなみにその当時、外務大臣だった小渕さんは、
ポイントを稼ごうと、外務省からODA100億円をもぎ取りました。
地雷廃絶のためだけに、100億です。
でもそこは、さすがODA!
そのお金は日本企業の、地雷探査機械に消えてしまったのです

世界中で、地雷廃絶支援のために多額の資金が投入されています。
しかし、そのほとんどは地雷除去に使われてしまい、
被害者支援に使われるのは、全体のたった1%のみ

確かに、地雷除去も大切ですが、
年々確実に被害者は増えており、義足の問題、職業訓練の問題、
心の問題、家族の経済状況など、問題は山積しています。
被害者が置いていかれる支援であってはならないと思います。

地雷廃絶日本キャンペーン(JCBL)では、
ちょうちょキャンペーン2006」を行っています。
HPからダウンロードしたちょうちょに、メッセージを書き、
JCBLのメンバーに郵送すると、そのメッセージを
条約に批准してない国の在日大使館に届けてくれます。
愛・地球博では、好評だったようです。
tyou
2006年10月31日までです。

スポンサーリンク


スポンサーリンク