難民について、もう少し。

下記の話のつづきです。

「さて、世界で一番難民を受け入れている国はどこだと思いますか?」
私が、難民支援協会のスタッフからそう質問されたとき・・・
う~~ん、、、やっぱり北欧かな??
でも、もしかしてアメリカかも??

実は、イランなのです
なぜイラン??
世界地図を頭に思い浮かべてください。
イランの隣の国はどこですか?
「あっ、イラク!」
そう、じゃあ、イランの右隣は?
「ああ、そっか、アフガニスタンだあ!」

はい、そういうことなのです
イランと隣接している、イラクとアフガニスタンは
今でも治安が安定せず、紛争状態にあります。
つまり、難民が常に流動的に動いていて、
イランにも流れ込んできているわけです。
なので、難民の申請・認定は関係なく、
事実上難民が一番多く流入している国がイランなのです。

世界には1000万人の難民がいるといわれており、
国内避難民も合わせると3000万~5000万人といわれており、
年々徐々に増えています。

難民条約に批准している国は145カ国で
日本は1981年に加入しています。
日本では難民申請の処理をを、入国管理局が行っていますが、
とにかく、結果が出るのが長い
申請書類で一番大切なのが、迫害状況を示す書類なのですが、
正確な情報を得るために、職員が現地に飛んで家族から話をきいたり・・・
などなど、ちまちま仕事をしているので、結果が出るのに2年ほどかかります
(最近は、1年~1年半とか)
でも昔は10年かかっていたらしいので、
それに比べれば、マシになったということでしょうか。

日本では、難民法を管轄しているのは法務省です。
しかし法務省は、国内の治安維持をつかさどる入管法をもっており、
性質の違う二つの法律を抱えていることで、矛盾が生じているわけです。
以前のニュージーランドも同様で、
法務省が、入管法と難民法の両方を扱っていました。
しかし難民認定を別組織が行うことになったおかげで、
難民認定数が増えたそうです

難民が増えたら犯罪も増加するのではないか?
そう危惧している人もいらっしゃると思います。
しかしこれは誤解です。
私はNGOの仕事で難民キャンプに出入りすることがありますが、
そこで感じることは、
知的レベルの高い人ほど難民になりやすい、ということです。
意識の高い人ほど本国の権力者から狙われるでしょうし、
自由を手にしたいという気持ちも強いと思います。

難民になる人たちも私たちと同じなんですよね。
「愛する家族と平和に暮らしたい」
ただ、そう望んでいるだけなのです。

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