NGOで活動している医者の中に、
尊敬している人がいます
ペシャワール会の中村哲先生
以前、母校で行われた講演会で、お話を一度お聞きしたことがあったのですが、
正直、「あまり話が上手な方ではないなあ~~」
といった印象がありました。
しかし数年ぶりにお話を聞いて、ビックリ
笑いを取りながらの、なかなか面白い講演でした
アフガニスタンでは、今世紀最大の旱魃が起こり、
医療ではどうにもならない状況になっています
まずは水そして食料
アフガニスタンの90%が農民で、
自給自足で暮らしています
しかし、国土の半分が砂漠化し、
3年前の食料自給率は6%
去年は4%を切ってるそうです
そんな状況を何とか打開しようと、
哲先生は医者でありながら、独学で「土木工」を習得し、
アフガニスタンで灌漑用水(カレーズ)を作ったり、
井戸を掘ったり、溜池を作ったり、
そのパワーには脱帽です
砂漠化が進み、茶色の大地しかなかった場所に、
青々茂った小麦畑ができ、
見渡す限り、一面緑です
インダス河の支流・カブール川から水を引き入れるために、
「じゃかご」や「堰」を作ったのですが、
それらは筑後川のマネをしたとのこと
(哲先生は、福岡出身)
溜池や水門(手動式)、取水口、護岸工事などなど、
全て、日本に昔からある(江戸時代とか)方法を、
アフガニスタンに取り入れました
用水路の周りには石を積み上げ、柳の木を植えました
フェンスを作れば、20年後には壊れてしまいます
しかし柳だったら2年後には根をはり、
地中深く根がからみ、土砂崩れ防止になります
日本って、明治維新以降に発展したように思われがちですが、
それ以前も、素晴らしい知識や技術を充分に持っていたんですよね
植樹した柳は18万本
その他、薪用に桑、
土石流止めにユーカリを植えました。
植林は結構難しくて、
その土地に適していないものを植えると、
土壌の生態系を壊したり、
地中の水分を木が吸収しすぎてしまったり、
いろんな弊害が起こりやすいのですが、
哲先生のことですから、
その辺りのことは、解決済みなのでしょう
つづく。