ダルフールの石油問題

「ダルフール」とは、
アフリカにあるスーダンという国の西側を指します

日本で、「ダルフール紛争って知ってる?」と聞いても、
多くの人は、知らないと思います
というか、「知らされていない」んですよね

英文の情報は凄く多いのに、
日本語の情報は、ごくわずか
そのため、
Japanese for Darfur代表の中村さんが、
一生懸命、英文を訳して情報を流してくれています

欧米では、中国によるダルフールへの人権侵害が理由で、
北京オリンピックのボイコット運動が行われていました

スティーブン・スピルバーグ監督が、
オリンピックの開・閉会式の芸術顧問を辞退。
フランスのロワイヤル氏(2007年フランス大統領候補)、
俳優のリチャード・ギア、ミュージシャンのポール・マッカートニーなど、
著名人やNGOが、
ボイコット運動を行っていました

欧米では、ダルフール紛争についての情報が、
日本以上に流れており、関心も高いです

では、そもそも、
ダルフール紛争って、何でしょうか?

スーダンはかつてイギリスの植民地でした
イギリスがスーダンを統治するとき、
アラブ系(イスラム教)の人々を優遇したため、
その後、石油やその他資源の利権をめぐった、南北の争いに発展
→ちなみに南部は、ブラックアフリカン(キリスト教系)です。
その争いは一旦沈静化したものの、
西部に飛び火し、今の紛争に至っています

かなり乱暴な説明ですが、簡単に言うとこういうことです

2003年から始まったダルフール紛争は、
現在進行形のジェノサイドです
国連の発表では、
2007年までの4年間で20万人が死亡し、
100万人の難民が発生したと言われています。
ダルフールの人々は、
大量虐殺・集団強姦という恐怖の中で暮らしているのです

しかし、国連はスーダンに手を差し伸べようとはしません

1948年に決議されたジェノサイド条約。
現在136カ国が批准しており、これに違反した場合、
国際法上の犯罪になるわけです。

2004年にアナン事務総長が「重大な人道危機」としてスーダン政府を非難。
安保理で取り上げて、
経済制裁等を検討しようとしたけれど、中国が棄権
ジェノサイド条約って、ただのお飾り
必要なときに行使しなければ意味がないのに

なぜ安保理で中国が棄権したのか?

スーダンはアフリカ有数の産油国で、
アフリカ4大産油国に次ぐと言われています

中国は、スーダンの石油の60%を輸入しているのです
それだけでなく、中国はスーダンに武器を輸出しており、
それが紛争の激化を招いていると言われています

つまり中国は、石油の利権を手放したくないために、
スーダンに対する経済制裁に反対したわけです

北京オリンピック前に日本では、
中国の、チベットに対する人権侵害が大きく取りざたされ、
もちろんそれは必要なことですが、
ダルフールの問題について、
もっと声をあげても良かったんじゃないかなあと、思います
→自分も含めて。

だって日本は、スーダンの石油の輸入国第2位なんですよ
ちなみに2006年は中国を抜き、輸入国第1位でした

でもそのことを知っている日本人は、多くないと思います。
日本でダルフール紛争の情報が少ないのは、
ただ単に、
「アフリカという遠い国のことだから関心が薄い」
だけでなく、
石油を輸入していることを知らせまい、とする
情報操作があるのではないか?と、
疑ってしまいます

そして、日本が石油を買ったお金で、
スーダンは戦争をし続けているのです

私たちは、人の幸せを踏みにじってまで石油が必要ですか?
人の幸せを奪ってまで、豊かな生活を送りたいですか?

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