DAYS JAPAN 9月号より
「マールブルグ熱」というウィルス性感染症をご存知だろうか?
今春、アフリカのアンゴラで猛威を振るった疾患で、
この時期の致死率は84%~95%だったという。
旧ザイール(現コンゴ民主共和国)などでたびたび発生してきた
「エボラ出血熱」と、病原体が同じ科に属する同種の出血熱で、
どちらも治療法、ワクチンが確立されていない。
吐血し、血尿が見られ、眼、直腸、膣など、
あらゆる部位から出血する。
アンゴラ政府の対応が遅く、
多くの、国外からの医療従事者が亡くなった。
政府は感染防止の全面的な対策を、国外の医療団体に任せっきりだった。
アンゴラには、豊富な石油とダイヤモンドが眠っており、
超裕福層と貧困層が二極分化している。
そして、腐敗と汚職が蔓延している。
国が国民の生命を守ってくれない・・・
そんな状況下で生きていかなければならない人々、
そして命がけで彼らを守ろうとする国外の医療従事者。
遠いアフリカで起きていること・・・
そんな風に思いがちですが、
マールブルグ熱の発生が最初に確認されたのはヨーロッパです。
グローバリズムが進むこの世界で、
「遠くの国のできごとだから」という理由で、
無関心でいるわけにはいかなくなってきていると思います。