チェチェルスク地区の、学校訪問☆

ちょっと進化した感じのオーストリア♪
現場との温度差を感じる日々
チェルノブイリ一歩手前
チェチェルスク地区病院で。

私たちが訪問した11月のベラルーシは、
インフルエンザが蔓延しており(季節性も新型も)、
学校閉鎖が続いていました

子どもたちに会えなかったのは残念ですが、
病院では聞けないいろんな声を、学校で聞いてみよう
ということで、生徒数255人のギムナジウムを訪問しました
ギムナジウムとは、少しエリートな子どもたちが通う学校の総称です。
この学校は、10-17歳の子どもたちが通っています。

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突然の訪問だったにも関わらず、
ニコライ校長先生は、快く私たちを迎えてくれました
ありがとうございます

学校では、86年4月26日に起きたチェルノブイリ原発事故のことを、
どうやって子どもたちに伝えているのでしょうか?

毎年4月26日にはイベントを行うそうです
各クラスで先生から話を聞いたり、映画を観たり・・・
そして地区にある記念碑の前で、
歌を歌ったりミーティングをしたりします

「埋葬の村」がある地区には必ず記念碑があり、
そこには、地図から消された「埋葬の村」の名前が書いてあります
→「埋葬の村」とは、放射能の汚染が強いせいで人間が住めなくなり、
住民が強制移住させられ、地図から消された村のことです

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チェチェルスク地区には、埋葬の村が34箇所あります
記念碑前のミーティングには、大人たちも集まり、
事故を忘れないように、再確認するそうです
とは言っても、家庭で事故のことを話す機会はほとんどないとのこと。

「事故から20年以上経ってるので、特権が減ってきています」と
話してくれたのは、副校長のリューダさん25歳
ロシア語の先生です。
いやあ~~、25歳で副校長って凄いですよね

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2年前までこの学校の子どもたちは、
毎年2回、サナトリウムに出かけてました
→サナトリウムとは、
汚染地の子どもたちが環境の良い場所に保養に行くことです

しかし今は、年に1回に減り、期間は4日~21日間。
本当は海外に保養に行った方が意味があるのでしょう。
しかしそれは難しく、行けても旧ソ連だったバルト三国くらい

そして以前は定期的に、ホールボディーカウンタで
子どもたちの汚染の程度を測っていましたが、今は時々測るのみ。
食料品に関しては、今でも測定しているようです

今年はすでに155人の子どもたちが保養に行ったのですが、
サナトリウムの場所がウクライナの近くなので、
子どもの親たちから、「行く意味があるのか」と、
心配の声も出ているそうです
まあ、確かにそうですよね~~
健康になるための保養なのに、
わざわざ汚染の高いウクライナ国境に行かなくても・・・
そして、これから残りの100人も行く予定とのこと。

「他にも、問題があるんです・・・」と話してくれたのは、
べラルーシ語を担当している26歳の先生

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サナトリウムに行くのに、交通費を親が負担しなければならないとか、
ベラルーシ国籍がないと行けないとか
そして最近は、
「保養には行かなくても大丈夫」と思っている親が多いみたいです。

さて、インタビューの最後に、学校給食の話になりました
子どもたちは、朝と昼の2回の給食を食べ、
親が働いてる子どもは、夕食も給食がでます。
そのため、子どもたちにとって学校給食はとても大事な食事です

チェチェルスク地区の食材は、「危なくない」と言われてるので、
なるべく安い、地元の食材を使っています
きのことベリー以外は大丈夫、といわれているとのこと。

とは言っても、最近子どもたちの健康状態が年々悪化していることを、
学校や病院では心配しています
腎臓、心臓、胃腸・・・
それが事故と関係があるのかわかりません。
先進国でも、子どもたちの健康状態が悪くなっていることが、
取り上げられています

話の中で先生たちは、
「ここは汚染地だから・・・」と言っていました。
事故から20年以上経ったとは言え、最近は話題にあまり上らないとは言え、
やはり何かあるときには事故との関係性を考えてしまう・・・
それは、まだまだこの先も続くのかもしれません。

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2009年11月9日 ちょっと進化した感じのオーストリア♪
2009年11月11日 現場との温度差を感じる日々
2009年11月14日 チェルノブイリ一歩手前
2009年11月23日 チェチェルスク地区病院で。
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