ホームレスと病院

連日、派遣村についてニュースが流れ、
各自治体で雇用を生み出したり、寝泊りできる場所を提供したり、
いろんな策が練られています

私は先日、カイロを160個購入して、
新宿のホームレスの方々を訪問しました

参考までに。
前回の活動の様子です
年末の温かい話①

kairo

お正月ということもあって、
この時期はホームレスの方々にミカンも配っているのですが、
スタッフの方曰く、
「いやあ~~、実はミカンよりカイロの方が喜ばれるんですよ~」と。

連日晴れてはいても、寒い1月
ホームレスの方々が凍死しないだろうか、風邪をひかないだろうか、
毎回気がかりです。

そんな中、
年末から気になっている方が2名ほどいました

いつも元気に空き缶集めをしているAさん。
ここ最近、消化器の調子が悪いらしく、
症状を聞く限り、最悪のパターンも予測されます
本人もそのことは分かっている様子。

限った人にしか本音を話さないAさんですが、
信頼関係を築いているスタッフの人たちが受診を勧めても、
病院に行きたがりません
一番の理由は、
「病院に入院したら、荷物がなくなっちゃうよ。
荷物がなくなったら、路上生活ができなくなっちゃうよ。」と。

えっ。。。
荷物・・・・??

あたりを見渡すと、
Aさんのまわりには、路上生活に必要な、
ダンボール、毛布、ブルーシート、
その他、まわりからは見えないようにブルーシートで覆われた、
大きな荷物がデーンと置いてあります。

ホームレスの中には、他のホームレスの荷物を盗もうと、
虎視眈々と狙っている人たちもいます。
ちょっと気を許すと、
「あいつ、オレの荷物を盗みやがった」ということになり、
そういう話はよく聞きます。
もちろん、盗んだ人は二度とそこには戻ってきません。

なのでみなさん、「自分の荷物を隠す場所」というのを持っているわけです。
しかし、それは小さな荷物なら可能なこと。
大きな荷物で、しかもいつ帰れるか分からない「入院」となると、
荷物を安全に隠せる場所なんてないわけです

そこそこお金のある人だったら、
「毛布やブルーシートなんて買えば良いじゃん。
ダンボールはどっかのお店からもらってくればいいし」
と、なるでしょうが、
ホームレスの方々にしてみれば、容易なことではないわけです

またAさんの場合、
病院に行っってしまったら現実を見ることになります。
現実から目を背けたい、という思いもあるかもしれません
そして、
「病院に行ってもお金が払えない」と気にしていました。

病院に行きたくない人、
行きたくても気がかりなことがあって行けない人を、
どうやってフォローしていくのか?
しかもAさんは、特定の人にしか心を開いてくれません

スープの会で行っている、週1回の訪問の時には必ず訪問すること。
症状が思わしくないときは、スタッフの方に訪問をお願いする。
その中で、Aさんが望む最善の方法を一緒に考える。
そうやって、関わっていけたらと思っています

もう1人。
年末から、歌舞伎町のコマ劇場周辺をウロウロしていたBさん。
私が初めて出会ったのは、greenbirdのゴミ拾いのとき

参考までに。
年末の温かい話②

スープの会でも、その方を発見し、気に掛けていたようです。

両足がなく、車椅子で歌舞伎町をさまよってるBさん。
オムツが、ぐっしょり濡れていたそうです
歌舞伎町の商店街の人々が、オムツや毛布を提供していたとのこと。
しかし、オムツを提供しても、
誰かが替えてあげないと、自分ではどうしょうもないでしょう
オムツ交換って、簡単そうなようで、誰もができることではありません
技術的にも心情的にもね。

Bさんに声をかけても最初は口もきいてくれず、
話しはしてくれるようになっても、
どうして自分がそこにいるのか教えてくれず、
度重なる訪問の末、ようやくスープの会のスタッフに、
本当のことを話してくれたようです。

しかし、Bさんも病院を拒否
「でも、やっぱり救急搬送してもらわないとね。」という話をしていたら、
歌舞伎町の人がBさんのことを警察に通報してくれて、
病院に搬送されたという情報が入ってきました

救急車の乗車を拒否せず、病院に行ってくれてホッとしました

よく、
「ホームレスは、好きで仕事をしないんだ。」と言う人がおり、
先日も、坂本哲志総務政務次官が派遣村について、
「本当に真面目に働こうとしている人たちが集まっているのかという気もした」
というような、アリエイ発言をしましたが、
実際にホームレスの方々と話をすれば、よくわかります。
彼らの多くは、
「人に迷惑をかけたくない」
「人の世話になりたくない」と、
自力でなんとかしようと頑張っているのです

病気に関しても同様です。
ちょっとやそっとのことでは受診せず、
ギリギリまで我慢しちゃうんですよね

そのことを理解したうえで、
自分はここで何ができるのか考え、
行動していきたいと思っています

「スープの会・路上生活者訪問」関連記事一覧です。

2008年8月05日 土曜の夜に考えること
2008年11月21日 新宿も寒くなってきました。
2008年12月31日 年末の温かい話①
2009年1月07日 ホームレスと病院
2009年5月03日 味噌の味
2009年8月02日 新宿の女性
2009年9月04日 新宿の空の下で。
2010年1月22日 今年の越冬2009-2010
2010年3月05日 東京マラソンの裏側は~?
2010年4月13日 暖かくなりはじめて。
2011年2月22日 雪の日の訪問♪
2011年2月23日 路上からの救急搬送

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2 件のコメント

  • 金魚さん年上の友人です。(お分かりになるかな?)
    久しぶりにお邪魔しました。気にかかっていること、ホームレスの方々等、実際に行動されていることに感心しました。団体やグループでサポートなさっているのですか?
    ↑ブログはグーグルのものです。よろしかったらお立寄りくださいませ。

  • パロールさん
    お久しぶりです
    コメントありがとうございます
    「気にかかっていること」とは、
    ガザのことでしょうか?
    ガザに関しては、MLなどで呼びかけがありますので、
    それに個人で参加していますが、
    参加すると、まわりは見知った人たちでいっぱいです
    ホームレスに関しては、
    新宿の「スープの会」という市民団体に参加しています
    ブログ、拝見させていただきますね~