岩国の選択

山口県岩国市は、
日本唯一の、米海兵隊が配属されている所です。

日本政府は、
神奈川県の米海軍厚木基地から、岩国に、
「空母艦載機の移駐」を強行しようとしています。
横須賀港を母港とする空母の艦載機が厚木基地にあり、
米軍再編により、その艦載機が増えることになったわけです。
これ以上、騒音に悩まされたくない厚木の住民は、
反対運動を繰り広げ、その艦載機が岩国に押し付けられそうに
なったわけです。
しかし誤解しないでいただきたいのは、
厚木の住民は、艦載機を岩国に押し付けるつもりは、
全くありませんでした。
「これ以上、艦載機を増やさないで欲しい」と訴えていただけなのです。

米軍基地を抱える自治体の住民は、
大抵、訴訟を起しています。
その訴訟の多くは、騒音問題です。
ちなみに厚木基地では、
50分間で56回の離発着訓練が行われています。
しかし、岩国の住民は訴訟を起したことがなく、
基地ができてから60年もの間、
騒音や米兵の犯罪に耐えてきました。
そのため岩国の住民は、
「お上に従順でおとなしい」と言われ続け、
そこに付け込まれたのです。
ちなみに、岩国基地の拡張・強化に反対というサイトには、
戦闘機の爆音が載っています。
是非聞いてみてください
また、コチラも参考にどうぞ。

ところが、政府の強行姿勢が岩国の住民の感情に火をつけ、
米軍再編(基地の拡張・強化)に関する住民投票を実施(2006年3月12日)。
受け入れ反対が圧倒的多数を占め、現在に至っています。
しかし、この問題はまだ終わっていません。
まだ首相になるまえ、安倍官房長官(当時)と額賀防衛庁長官(当時)は、
「住民投票の結果に関係なく米軍基地再編はすすめる」と、
圧力をかけています。

米軍再編で、
日米両政府は、岩国基地を、横田や横須賀を凌ぐ
巨大基地にするつもりで、
2年後には、横須賀にいる原子力潜水艦が岩国に入る予定です。
みなさん、岩国が山口県のどこにあるかご存知ですか?
岩国は被爆地広島に隣接する地域です。
広島湾に原子力潜水艦を入れ、基地を強化することは、
原爆で亡くなった20数万人の人々、
そしていまだ原爆症で苦しむ人々の気持ちを、踏みにじるようなものです。
ちなみに、今年9月に原子力潜水艦「ホノルル」が横須賀港に寄港した際、
放射性物質・コバルトが検出され、放射能汚染が指摘されています。

米軍再編では、
米陸軍司令部をアメリカからキャンプ座間(神奈川県)に移転し、
それと平行して、岩国基地を強化することを重要視しています。
普天間基地の岩国移設、夜間着艦訓練(NLP)基地の新設計画なども浮上。
なので、岩国基地の拡張・強化が進まなければ、
米軍再編が根本から崩れるため、
政府としては、一歩も引くわけにはいかないわけです。

そんな岩国の住民の戦いをおさめた映画、
「岩国の選択」が各地で自主上映されています。
岩国の問題は決して他人事ではありません。
住民投票という直接民主主義のあり方、
地方自治体のあり方がが問われています。
そして日本は、日米軍事同盟とどう共存していくのか。

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