「ホテル・ルワンダ」試写会とシンポジウム①

今日は、長い内容なので、二つに分けました。
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1月6日、有楽町マリオンで、
ピースビルダース・カンパニー主催、
「今、アフリカで何がおこっているか-『ホテル・ルワンダ』のメッセージ」
 シンポジウム・チャリティ試写会

が開催された。
事前予約をしているにも関わらず、
「満席になり次第、入場できなくなります」とのこと。
開場時間前に到着すると、そこはすでに長蛇の列!!
ちなみに「ホテル・ルワンダ」は、1月14日から一般公開される。

この映画は、ルワンダ版「シンドラーのリスト」と言われ、
主人公でありホテル支配人のポールは、大虐殺がはじまるとき
自分の妻(ツチ)と子どもを守ることだけを考えていたが、
結果的には1200以上ものツチの人たちを助けることになる。

私はこの映画を観ている間、
最後まで涙が止まらなかった
ほっぺたが涙でカピカピになって、また涙が溢れて、
最悪の状態(苦笑)。
ルワンダの大虐殺が起こった1994年。
私は何をしていただろう・・・?
丁度大学生で、恋愛やお洒落や旅行に夢中で、
いかに大学生活を楽しむか、そんなことを考える毎日だったと思う。
ルワンダのことは、一応耳にしていたが、
それよりも、コソボ空爆、旧ユーゴ内戦の方が多く報道され、
ルワンダのことは、頭の片隅に追いやられていた。

フツ族至上主義の急進派の民兵組織インテラハムェのリーダーが
フツの人たちを煽り、群集心理をかきたて、
夫婦が殺し合い、友人を殺し合い、隣人を殺し合い、
死体の山があちこちにできる。
100日間で100万人の死者と言われている。

「無関心って、何て罪なことなんだろう・・・」
観ている間、自己嫌悪で、めっちゃ気持ちが沈み、暗~く、どよ~ん・・・
しかし!
今落ち込んだってしょうがない!
ルワンダの復興はあまり進んでいない。
アフリカの中でも最貧困国の一つだ。
人口も94年以前まで戻っていない。
心のケアもまだ始まったばかり。
子ども兵士の問題も解決されていない。
今から私にだってできることはあるはず。

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この映画の主人公であるポール・ルセサバギナは
96年9月に家族と共にベルギーに亡命する。
今回、日本上映に合わせて来日し、
当時の様子、今のルワンダについて語ってくれた。

94年4月にハビャリマナ大統領とブルンジの大統領を乗せた飛行機は撃墜される。
その後3日間で政権内のあらゆる階級のツチ族やフツ族穏健派も処刑される。
そして約3か月の間、誰も止めることのできない大虐殺が続いた。

ルワンダ国外に亡命していた主にツチ族中心のグループが
ルワンダ愛国戦線(RPF)を結成し、
94年7月にウガンダから侵攻して首都キガリを制圧した。
そのことがきっかけで大虐殺は終わりを告げた。
ポールは7月12日に生まれ故郷の南部にでかける。
どこに行っても死の臭いが漂い、
生きている人が見当たらない。
弟妹は殺され、妻の母は嫁・孫6人と一緒に殺されていた。
この時になって、何が起こっていたのかやっと理解ができたという。

その後も近隣では紛争が相次いだ。
400万人に被害を出したコンゴ紛争。
ブルンジの紛争。
ウガンダでは180人の自国民が囚われの身になる紛争が起きた。
そして、
ポールは2005年、スーダン・ダルフールに出かけ、
その紛争を目の当たりにした。
90年から94年にルワンダで見た光景が、ダルフールで再現されていたのだ。

丁度、ダルフールからベルギーに戻る途中、
欧米各国の要人が、「ホロコースト60年」ということで
アウシュビッツに集まっていた。
「Never Again」
誰もがそうスピーチしていた。
「二度と、大虐殺は繰り返さない。」
しかし!
ポールはたった今、その殺戮の現場から帰って来たところだった。
今でも同じ事を繰り返してるではないか!

ツチとフツの憎しみ合いは歴史の中で生まれた。
素地は植民地以前からあったものだ。
しかし、真から憎しみ合ってたわけではなく、
リーダーによってそれが利用され、分断されたのだ。
現在のルワンダは何も変わっていない。
ただプレイヤーが変わっただけ。
ポールさんは、そう、ルワンダの今を憂いている。
だが、悲観的にならず希望を持ち続けている。
なぜなら、「意思のあるところに希望がある」からだ。
ポールさんは去年、100回の講演を行った。
その80%が学生である。
学生は未来のリーダーだ。
今の若い人たちに、真実を知ってもらい、
メッセンジャーになってもらいたいと思っている。

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