少し前に、
「グリーンピース・ジャパン」という環境NGOのスタッフ2人が、
運送業者の倉庫からクジラの肉を盗んで、
警察に捕まった事件をご存知でしょうか?
逮捕されたのが6/20。
約1か月拘留され、7/15に保釈されました
普通に、テレビや新聞で報道を見ていた方は、
「建造物侵入と窃盗の容疑で捕まって当然」
「なんか、NGOって怖いかも」
などなど、思われたと思います
私も何でこんな事件が起こってしまったのか、
いまいち理解できないままでした
というか、私はそもそも、「捕鯨」について
よく分かっていなかったのです
でも自分なりに情報収集しているうちに、
「えっそうだったの??」
と、思うようなことが、いろいろとありました
日本の伝統だと思っていた捕鯨
この「伝統」という部分で、かなり日本人のナショナリズムを煽っていますが、
日本人が捕鯨をするようになったのは、1500年代末期から。
しかしすでに9世紀からバイキングが、
11世紀からバスク人が捕鯨を行っています
また日本古来の「古式捕鯨の継承」ということも言ってるそうですが、
今の日本の調査捕鯨は、ノルウェー式だそうです
そして近年、鯨肉の在庫が余っていて、
約1000頭分のくじらの肉が残っているそうです
日本政府は在庫を減らそうと一生懸命になっていますが、
その肉の多くは、南極海のクジラ保護区で捕られたくじらで、
絶滅危惧種であるナガスクジラも含まれているとのこと
余ってるくらいなら捕鯨なんてしなくていいじゃない?
しかも、絶滅危惧種を何で捕る
と思う私
だいたい、今のご時世、「あえて」くじらの肉を買って食べる人って
どのくらいいるんでしょうか?
学校給食や居酒屋で最近見かけますが、
これは「在庫一掃」の影響でしょう
一体どこの会社が捕ってるの?
と思ったら、
民間企業は「採算が合わない」という理由ですでに撤退していました
じゃあ、どこが捕鯨をしているのかと言うと、
日本鯨類研究所。
公益法人で水産庁の管轄です。
ここが、「調査」を名目に、
商業捕鯨が禁止されている南極海などで捕鯨を続けてるんですね
しかも、「調査捕鯨」というにも関わらず、
絶滅危惧種を含む約1000頭のくじらを捕まえ、
捕獲されたくじらは船の上ですぐに加工され、
↓
箱詰め
↓
冷凍
↓
日本到着後すぐ出荷
これが「本当に調査捕鯨なの」と世界中から疑問視され、
「調査の名を借りた商業捕鯨」だと批判されていますが、
批判されるのは当然のことだと思います
じゃあ、一体何の調査をしているの?
①ミンククジラの自然死亡率
②個体数増加率の推定
③生態系における同鯨種の役割
しかし
1987年~2005年までの18年間、調査し続けて、
6800頭ものミンククジラの標本が得られたにも関わらず、
①~③の目的が何一つ達成されていないそうです
投入した税金、100億円以上
特に、②増加率の推定に関しては、
調査捕鯨開始されてまもなく、
ある科学者から「不可能である」と指摘されていたそうで、
皮肉にも日本がそれを裏付ける結果となりました
さて、こんな調査捕鯨を続ける必要があるでしょうか?
莫大な税金を使ってまで?
そして調査捕鯨で捕ったくじらの肉を、
お土産用として「お持ち帰り」するのは、いかがなものでしょうか?
確かにグリンピース・ジャパンのやり方は、良くなかったかもしれません。
だからと言って、
水産庁の税金の無駄遣い
絶滅危惧種の乱獲
を、無視していいことにはならないと思います