アル・ワリード難民キャンプは、
シリアから国境を越えて、イラクに入ってすぐのところにあります。
総勢約1600人。
約300-400人が流動的に、バクダッドをはじめ、都市部を行き来しています
ここの全員がパレスチナ人です。
なぜパレスチナ人が難民になっているかについてですが、
サダム・フセイン政権時代、パレスチナ人はイラク国内で優遇されていました。
政権崩壊後、パレスチナ人はそれを妬まれ、
命の危険にさらされるようになってしまったのです
サダムはアラブの中で名声を得るためにパレスチナ人を政治的宣伝に利用し、
あたかもパレスチナ人の庇護者であるかのように振舞っていました。
つまり、サダムがパレスチナ人を優遇していたのは、
政治的思惑があったからであって、
政権崩壊後の今、彼らが迫害されるのはおかしな話です
そんな不条理を感じつつ・・・
アル・ワリード難民キャンプに足を踏み入れたときの私の第一声
うっ・・・くっ、臭い・・・
この悪臭の根源は一体なにっ
難民の方々に案内されてキャンプ内をまわっていると、
まず目に飛び込んできたのが、汚いゴミたち
このキャンプは、イタリアのNGOがデザインしたらしいですが、
テントがこんなに密着していたら、
ロープに足が絡まって危険だと思うんですけど・・・
そして、悪臭の根源を発見
しかもたくさん~~
テントから細いパイプがでているのが分かります
つまり、生活廃水をここに流しているんですね。
この溜め池(!?)の中には、排泄物がぷかぷか浮いています
うっひゃああああ~~と、
頭がくらくらしてきました
このキャンプ、一体どんな感染症が蔓延してるんでしょうか???
考えるだけで恐ろしくなります・・・
じゃあ、キャンプ内に設置されているトイレはどうなってるんでしょうか?
一応、トイレは男女別になっており、
この写真は男性用のトイレです
トイレの左隣は、トイレ用の給水タンクで「ICRC」と書かれています。
ICRCとは、「国際赤十字」のことです。
中に入ると、ペットボトルがころころころころ~
どうしてだか分かりますか??
つまり、トイレの水が流れない、ということなのです
そのため各自、ペットボトルに水を入れてトイレに持参し、
使い終わったらそのままトイレにポイしちゃうんですね
カラなのは、トイレの給水タンクだけではありません
これが、ここのキャンプの最大の問題なのです
キャンプ内には、このような給水タンクがいくつも設置されています。
しかし、どれもカラなのです~
毎朝6時にICRCが給水すると同時に、
水の争奪戦が始まります
各家庭総動員でタンクに群がり、小さいポリタンクに水を満タンに入れ、
テントに持ち帰ります。
そして毎朝9時には、給水タンクがなくなってしまうのです。
たった3時間
私が訪問した6月は、灼熱の砂漠地獄です
これからもっと暑くなります
しかし彼らは、充分に水浴びをすることができないのです。
大人も子供も常に汗と埃まみれです
そんな中でも、
子供たちは笑顔で元気いっぱいに駈けずりまわってるんですから