シロタ家の20世紀

シロタ家の20世紀

私が、ベアテ・シロタのことを知ったのは、
日本の青空という映画を見たときです

ベアテは、日本国憲法に「男女平等」を入れた人物で、
日本女性の未来を作った人です

「シロタ」というと、日系人かしら?と思いがちですが、
祖先はウクライナ出身のユダヤ人なんですよね

シロタ家は高名な音楽家一家で、
ベアテさんの父レオ・シロタは、日本に17年暮らし、
芸大でピアニストを育成していました

シロタ家は華やかな一族であるにもかかわらず、
ユダヤ人であるがゆえの悲しみを味わっており、
20世紀の縮図ともいえます

レオの弟・ピエールは、ヨーロッパで有名な音楽プロデューサーでしたが、
アウシュビッツに収容され、消息不明のままです。

レオの甥のイゴールは、音楽を志していたけれど
時代の波に翻弄されて、ノルマンディ上陸作戦で戦死。

レオ自身、長年日本に貢献してきたにもかかわらず、
戦争が始まると長野に隔離。
アメリカに進学した娘・ベアテとも会えないまま

シロタ家の話は、歴史の中の一家族にすぎません。
戦時中は、シロタ家のような話はどこにでもあったでしょうし、
特別なことではなかったでしょう。

つまりそれは、
いつ自分たちの身に降りかかってもおかしくないということ。
「明日は我が身」ということです。
ヨーロッパ中で名の知れたピエールでさえ、
アウシュビッツに連れて行かれたのですから

ウクライナとユダヤにルーツを持つベアテが、
縁あって来日し、日本国憲法24条を書くことになります
この24条は日本への素晴しい贈り物です

とともに、日本に縁深いシロタ家の歴史を見ることで、
「戦争って何だろう?」と考えるきっかけを持つことができます。
これは第二の贈り物でしょう

機会があったら、
是非この映画を見てくださいね

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