先日、バスーラという映画を観てきました
「忘れられた子供たち」
「神の子たち」
に続く、第三作です
フィリピンのスモーキーマウンテン(ゴミの山)と、
そのゴミを拾いながら、ゴミ山のそばで暮らしている人々を追いかけて20年
2002年、貧困の象徴だったスモーキーマウンテンは閉鎖され、
ゴミの集積所は、アロマゴミ捨て場に移行されましたが、
状況は一向に変わっていません
ゴミ山のそばで暮らしていると、
呼吸器など様々な疾患に冒され、
病気になっても病院に行くお金はありません
実際、映画に出てきたクリスティーナも結核に罹り、
同じアパートに住んでる人で、
結核やその他の呼吸器疾患に罹っている人は、
何人もいるとのこと
血縁を重視するコネ社会のフィリピンでは、
貧困から抜け出すのはかなり困難なことで、
最初は頑張って学校に通っていた子供たちも、
様々な事情で家計が苦しくなると、親や兄弟を助けるために、
学校を辞めて、働きます
そしてそのうち、悟ってしまうんですね。
「頑張ったって、変わらない」って
でも、
「あきらめなければ、変わるよ」と伝えようとする人たちはたくさんいます
アロマゴミ捨て場のそばのスラムには、
世界各国からボランティアが集まっていて、
子供たちと一緒に遊んだり、建物の修復が行われています
四宮監督も、
病気で前職を辞めてしまったクリスティーナの仕事を作る目的もあって、
そのスラムで、給食支援を始めました
しかし疑問も残ります
四宮監督が、映画後のトークショーで言っていたのですが、
「家に、使っていない鍋や着ていない洋服があったら、
クリスティーナに送ってください。スラムの人たちに渡します。」と。
う~ん・・・
物を配るって、ものすごく難しいんですよね
管理・維持するのも大変だし、
税関で引っかかったら、誰が取りに行くの
送られても困る物や、一度使った物、履き古した物が届いたら、
その処理はどうするの
配る家はどう選定するの
物を配る、といったら大群が押し寄せます。
それに見合うだけの物が集まるのでしょうか?
もし、何ももらえない人が出てきたら、混乱が生じます
スラムで暮らす人々のために何かしたい。
その思いは大切です
直接フィリピンまで行ける人は、行って何かできることもあるでしょう。
しかし、フィリピンまで行かなくても、できる事はたくさんあります
よその国を変えたいのなら、
まず自分の住んでる地域を大事にすること。
自分の国の政治をより良くすること。
そうすることが、
世界を変えることに、つながるんだと思います
映画の後、お母さんと一緒に見に来ていた小学生くらいの女の子が、
四宮監督に、「お手伝いがしたいです」と話をしていました
こんな小さな子に伝わる映画作りをした監督も凄いし、
きちんと受け止めてる子がいるということも、凄いです
この映画をきっかけに、
世界の貧困や諸問題について考える人たちが増えるといいなあ