渋谷のUPLINK FACTORYで上映されているこの映画。
多くの途上国が抱えている、グローバリズムのひずみを上手く描いている
ドキュメンタリー映画だ。
サントラで流れる、ボブ・マーリィ、ピーター・トッシュ、ムタバルーカ、
ブジュ・バントン、ヤミ・ボロなどなど、ジャマイカを代表する
アーティストたちの曲の歌詞には、ジャマイカに住む人々の生きざま、嘆き、
そして怒りが込められている。
“貧困が貧しい者を破滅させる”、”名声のために働くのはよせ”、
“革命の時が迫っている”、”運命は俺たちのものだ” 彼らは歌い続ける。
労働者たち、職を失った者たちを代弁するかのように。
今までレゲエに興味のなかった私が、この映画によって
一発で魅了された。
サントラで流れていた曲が、歌詞が頭から離れない。
先進国の豊かさは、途上国の搾取の上になりたっている。
「おまえたち!このままでいいのか!」と言われている様で心が痛い。
ジャマイカは、 世界中から訪れる観光客にとってのカリブの楽園。
浜辺に砕ける波と極彩色の植物、眩しく光り輝く太陽といった自然、
といったイメージである。
しかし、楽園の真実は、そのような明るい面だけではない。
1962年、イギリスから独立したジャマイカは、IMF(国際通貨基金)と
世界銀行から経済立て直しのために借金をし、その返済で苦しみ続けている。
課された利子と厳しい制約により、人々は低賃金で働かざるを得ない。
私は「経済」が苦手で、よく分かっていない。無知である。
しかし、「ジャマイカ 楽園の真実」は、
グローバル経済について“無知は罪”だということを教えてくれる。
私はこれからどう生きていけばいいのか・・・
考えさせられる映画だ。