大学で美術史を専攻していた時、一番好きだったのがシュールレアリスムだったんだよね。だから当然の流れでヒエロニムス・ボスに一目惚れして画集も買ったんだけど、いつの間にか忘却の彼方に、、、
そういえば、何でボスはああいう奇怪な作品を描き続けたんだろう・・・?今回改めて『ベルギー奇想の系譜』を見ることで、「ああ、そういうことだったんだ!!」とすんなりと腑に落ちたのです。
それは長い間、いろんな国に入れ替わり立ち替わり支配されつづけたこと。いつも戦争に明け暮れ、常に「死」と隣り合わせだったベルギー。現在、ベルギーが「ベルギー語」を持たず、3つの言語が使用されていることからも、ベルギーという国が持つ複雑さを推測することができます。
そして、ベルギーはヨーロッパの中でも早い時期に産業革命を経験します。というのも、ベルギーには石炭や鉱物が多量に埋蔵されていたんですよね。その事がベルギーの産業革命に拍車をかけ、様々な社会問題も生じます。ベルギーで幻想的な絵画が誕生した背景に、そんな理由があるそうです。
ところで、私の大好きなヒエロニムス・ボス。
彼の一生は謎に包まれているけれど、もしかして異端じゃないの?と思ったり。でもボスは熱心なカトリック教徒だったと言われていて、フェリペ2世はボスの作品を熱心に収集していたといいます。そして彼の作品は異端ではなく、人間の贖罪意識を促す為のもの、とも。う~~ん。。。ボスをはじめ、ベルギーの画家たちの作品をもっと知りたくなったぞ。実家に置いてきたボスの画集を探さなきゃ!!!
ひとまず。
『ベルギー奇想の系譜』の作品をもっとじっくり見てみたくて、思わず図録を衝動買いです。