なかなか素敵な助産院
トプザワの難民キャンプのあと、地元の助産院に行ってきました。
JIM-NETが妊産婦支援を行っているカールゴスク難民キャンプの妊婦さんたちがこの助産院で健診をしているとのことで、ちらっと見に行ってきました☆彡←カールゴスク難民キャンプとは、シリア難民のキャンプです。
この国にもTBA(伝統的産婆)はまだ地方に行くと残っています。しかし国の方針としては、助産業務はライセンスがないと行ってはいけないことになっています。この日訪問した助産院は助産師が開業していました。
助産師のナズダールさんは1993年に開業。ご主人はメディカルアシスタントとのことで、助産師は妊産婦に薬の処方はできないけどご主人が処方をしてると言っていました。
年間の分娩件数は180−200人(自然分娩)で、その他に、病院に搬送するケースが250−300人とのこと。分娩費用は5000円くらいだと言っていました。
クルド全体に助産院は存在し、アルビル市内にも助産院が2か所あるそうです。私たちがナズダールさんから話を聞いてる間にも妊婦さんが3名ほど来ており、この地域になくてはならない存在のようでした。
ここが分娩室です。とても簡素なお部屋でしたが不衛生な感じはしません。
分娩のあとは、「出産カード」をもらいます。これを持って、病院に行くそうです。
こちらが、妊婦健診を行う部屋です。
難民キャンプは都市部から離れたところにあることが多く、医療機関へのアクセスが難しいことが多々あります。しかし、助産院やクリニックのような小規模な医療機関が難民の方々の受け入れをしてくださると、キャンプで支援をしている私たちもホッとします。難民をサポートしながら、このような医療機関を支えることも必要なんだと改めて実感しました。
プロジェクトの概要
プロジェクトの実施団体→日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)
活動地→イラク共和国アルビル県アルビル市アインカワ地区
実施期間→2015年2月~7月
背景
イラク国内では、去年の夏から激化したダーイシュ(IS)の迫害によって、ニナワ県モスル等からクルド自治区に約85万人の方々が逃れてきています。彼らは建設中の建物や空き家、学校、広場そして宗教施設等で生活をしています。その内、約5万人のクリスチャンは、クルド自治区のアインカワ地区(クリスチャンの地区)で暮らしています。
そんな中、同じ国内避難民でありクリスチャンの医師らが、マルチムーニ教会にクリニックを設け、診療活動を行っています。去年の7月から1日約500人近くを診察しているクリニックでは、9月から薬品購入の資金が足りず、医療設備も不十分なため、慢性疾患を抱える方々の継続した治療が困難な状況にあります。
JCFが2009年から行ってきたサポートしてきたイラクの小児科医であるリカァ・アルカザイル医師が、去年の7月にご家族とともに長野県松本市に避難してきました。リカァ医師の友人であり親戚でもある小児科医のナガム医師がマルチシムーニ協会のクリニックの立ち上げと継続した運営に関わっているため、今回JCFがクリニックのサポートを実施することになりました。
事業内容
1.初期診療における投薬指導
2.カルテ作成と管理スタッフの育成
3.医療チームの派遣による医療体制構築支援
IDPとは
国内避難民のこと。「難民」とは異なり、自分の国の中で避難している人々をさします。