妊娠&出産とインシャアッラー
今日は、トプザワの難民キャンプに行ってきました。ここで生活しているのは200人くらいで、シリアのコバ二から逃げてきた方々です。
子どもたちがたくさんいるので、粉ミルクや紙おむつを配布しながら、必要があれば妊婦さんや赤ちゃんの経過を確認しようと思い、妊婦さんやお母さん方に聞いて回りました。
そしたら、多くの妊婦さんが、「メディカルチェックなんて、必要ないわよ〜〜。今まで妊婦健診なんて受けたことないし、前の子を生んだ時も、健診なんてしてこなかったもの。インシャアッラー」と。。。
通訳をしてくれる看護師のリームと思わず顔を見合わせて苦笑〜〜。
母子が安全に出産するためには、ある程度専門家の介入が必要だとは思うけれど、彼女たちは今までそういうことはせず、自分たちで情報共有して助けあいながら子どもを産んできたわけですよね。地方の村の方ではだTBA(伝統的産婆)がいますので、そういう方々に赤ちゃんを取り上げてもらっています。
けど、そんな女性たちの中にも1人、「見て欲しい」と言ってくださる方がいました。22歳のファーティマは3人の子どもがいて、今4人目を妊娠中。妊娠6か月。
彼女が気にしているのはお腹の痛み。毎晩必ずお腹が張って痛くなるのと、日中も時々痛みがあるとのこと。そういう時は安静にしていてもしばらく続くと言っていました。
胎動は頻繁にあり、子宮の大きさや胎児の位置も問題ありませんでした。しかし、「健診を受けたいけど、受けていない。クリニックまでの交通費がないし、3人の子どもたちを見てくれる人がいないし」とのことだったので、そこはサポートするので一緒にクリニックに行きましょう、と伝えました。
そっか〜、彼女は1人で子どもを抱えてコバ二から逃げてきたのかな?
と思いきや、旦那がいるではありませんかあ〜〜!!!!
むむむ、、、
でも、「奥さんが健診してる間、旦那が子どもを見てる」という意識がないんだろうなあ〜
ちなみに、下の子たちは、3歳の双子、1歳半でした。うーん、出産の間隔が短いね〜〜
夫婦で話し合って「トシゴにしよう!」という感じでもないだろうし、子どもの人数を調整しよう、ということは特に考えたことがなく、インシャアッラーなんだろうなあ〜と思ったりしました。
プロジェクトの概要
プロジェクトの実施団体→日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)
活動地→イラク共和国アルビル県アルビル市アインカワ地区
実施期間→2015年2月~7月
背景
イラク国内では、去年の夏から激化したダーイシュ(IS)の迫害によって、ニナワ県モスル等からクルド自治区に約85万人の方々が逃れてきています。彼らは建設中の建物や空き家、学校、広場そして宗教施設等で生活をしています。その内、約5万人のクリスチャンは、クルド自治区のアインカワ地区(クリスチャンの地区)で暮らしています。
そんな中、同じ国内避難民でありクリスチャンの医師らが、マルチムーニ教会にクリニックを設け、診療活動を行っています。去年の7月から1日約500人近くを診察しているクリニックでは、9月から薬品購入の資金が足りず、医療設備も不十分なため、慢性疾患を抱える方々の継続した治療が困難な状況にあります。
JCFが2009年から行ってきたサポートしてきたイラクの小児科医であるリカァ・アルカザイル医師が、去年の7月にご家族とともに長野県松本市に避難してきました。リカァ医師の友人であり親戚でもある小児科医のナガム医師がマルチシムーニ協会のクリニックの立ち上げと継続した運営に関わっているため、今回JCFがクリニックのサポートを実施することになりました。
事業内容
1.初期診療における投薬指導
2.カルテ作成と管理スタッフの育成
3.医療チームの派遣による医療体制構築支援
IDPとは
国内避難民のこと。「難民」とは異なり、自分の国の中で避難している人々をさします。