「亀も空を飛ぶ」に続き、
私が見た、クルド人を描いた映画、2本目。
クルド人は、こんなにも愛に満ちあふれているのか、と
胸を打たれるシーンが多々ある。
不治の病に冒された長男マディに、常に溢れんばかりのキスで
愛情を示す、次男アヨブと次女アーマネ。
「マディの病気が治りますように」と父の墓前で神に祈り、
両手を天に伸ばすアーマネの姿の美しさ。
アーマネの算数の成績を褒めるアヨブとのやりとりには、
兄弟以上の愛情さえ感じられる。
長男マディは手術しても1年もたないだろうと
言われているにも関わらず、
長女ロジーンは、手術代のために
意に沿わない結婚を承諾し、
次男アヨブは、死と隣合わせの密輸の仕事をする。
そして三女の世話をしながら、
そんなアヨブを心配そうに見守るアーマネ。
常に家族を思いやり、一生懸命に生きている子供たち。
イラクでマディの手術を受けさせたいという一心で、
アヨブは、マディを背負って密輸に参加し、
イランとイラクの国境である、有刺鉄線を超える。
それがこの映画のラスト。
その後、二人の兄弟が国境警備隊に見つかったのか、
それとも無事手術ができたのか、わからない。
しかしこの映画が伝えたいのは、ラストがどうなるか、
ということではなく、
明るい未来を信じ、希望に向かってひたすら歩き続ける
アヨブ=現在のクルド人、ということなのだと思う。
ゴバディ監督の言葉、
「クルディスタンには苦しみが凄く多くて、
痛みも凄く多いのだけれど、
皆、その中でも希望を見つけて生きてゆこうとしています。
絶望してしまったら死ぬ、
死んだらもう終わりだということを皆知っているので、
少しでも明るいものを探しエネルギーにして生きているのです。」
映画の中で、
トラックの荷台に積まれた子供達が合唱する現地の歌
「人生は苦労ばかり/子供ですら老いてゆく/険しい山を越え/深い谷を巡る/つらい仕事が僕らを死へ導くよ/人生は苦労ばかり/子供ですら老いてゆく/厳しい毎日が僕らの若さを奪う」
それぞれ今日は何位でしょうか
最近、バナーを添付しないことが多かったので、
順位が不明になっています
今何位か、一緒に探してみませんか。