ルワンダの涙

「ルワンダの涙」
今まだ公開中のこの映画は、
ルワンダの大虐殺の実話をもとに作られました。

以前、上映された「ホテル・ルワンダ」を観たときも
私は号泣しました。

「ルワンダの涙」は、
イギリスのBBCが制作し、ルワンダの全面協力を得ています。
「ホテル・ルワンダ」は、
アメリカが制作したもの。

どちらも白人の視点で描かれ、
そして、「何故、虐殺が起こったのか?」が
描ききれていません。

「ホテル・ルワンダ」に出てくる、
ミル・コリン・ホテルに匿われた、
1200人のツチ族の人たちは、助かることができました。
しかし、「ルワンダの涙」に出てくる、
公立技術専門学校に匿われた、
2500人のツチ族のほどんどが殺されました。
そして、公立技術学校から
かろうじて生き延びることができた人たちの証言によって、
この映画がつくられたのです。
「ルワンダの涙」の制作に関わった全てのルワンダ人が、
あの虐殺の被害者であるという点も、
心に迫るものがあります。

しかし、考えなければならないのが、
「何故、虐殺が起こったか?」という点です。
第一次世界大戦後、国際連盟は戦利品として、
ルワンダをベルギーに与えます。
ルワンダは、もともと複数の民族が混在しており、
小さなイザコザはあっても、
憎しみ合っているわけではありませんでした。
しかしベルギーは、自分たちが統治しやすいように、
ツチ族とフツ族を争わせたわけです。
民族同士を争わせれば、
宗主国であるベルギーに対する怒りや不満の矛先を
そらすことができますもんね。
ベルギーは、容姿が西洋人に似ているといわれているツチ族を優遇し、
全ルワンダ人に、IDカードを持たせ、
きっちり、民族を分けました。
そして、1994年4月、
ジェノサイド(大虐殺)が始まったわけです。

それだけでなく、
ジェノサイドが始まってすぐ、
国連軍は、ルワンダから撤退しはじめ、
国際社会全体が、このジェノサイドを黙認したのです。

自分は13年前に、何をしていたのだろう?
丁度大学生で、毎日が楽しくて、
それなりに悩みはあったりしても、
嫌なことなんて、考えずに暮らしていたと思う。
しかし、世界中には生命を脅かされ、
常に死と隣り合わせの人たちが、
何万人、何百万人といたわけです。
それは、今でも同じです。

自分が今、幸せな分、
世界中の誰かの為に、
自分ができることを、
続けたいと思うのです。

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