新藤監督・95歳が体験した戦争~
ドキュメンタリ-と再現ドラマを合体させた映画です。
私は映画のことは全くのシロウトなのですが、
話を映像化するときは、
見る側に伝わりやすく、分かりやすくする必要が
あるんだろうなあ~と思うのです。
なので、例えば戦争映画なら、
原爆のような悲惨さを取り上げたり、
特攻隊のような美談を取り上げたり・・・
でも、それは今までの話。
これからは、そういう描き方だけでは、
本当に伝えたいこと、伝えるべきことは
伝わらなくなってると思います。
最近は、新たな視点で描かれている戦争映画が
増えていると思うのです
この映画もその一つ。
何一つ、派手な演出はありませんが、
自分の中に、ストーンと落ちるモノがあるのです
これは、太平洋戦争中、
どこにでもいる一兵卒の日常の話。
「戦争ってなんてくだらないんだろう(苦笑)」と
思わせるような描き方。
精神棒で殴られ、木製の戦車でおままごとのような練習。
米軍の本土上陸を見越した、日本刀での攻撃練習。
→このとき何故か、履いている靴を上下逆さまに履き直すのです(苦笑)。
これだけ読んでも意味がわからないと思うので、
是非映画を見てください
意味のない防空壕掘りに、
全く聴き取れない玉音放送。
そして、部下の報復を恐れてさっさと逃げる上官。
戦争終結後も「一億総玉砕」を叫ぶ、滑稽な軍部。
戦争は、安全なところで、
ふんぞり返っている上官がしているわけじゃあないんですよね。
使い捨ての手持ちの駒のように、現地で戦っている人がいる。
国のためを思って・・・
未来の平和を信じて。
それは、太平洋戦争の話だけではありません。
イラク戦争だってそうです
「戦争ってなんてくだらないんだろう」
そんな風に思えたら、
誰も戦争なんてしなくなると思います。
たくさんの人に見てもらいたい映画です