2年ぶりの東日本入国管理センター

アムネスティから始まる

ずいぶん前に「日本にも難民がいる」ことを知った脳天気な私は、満を持して5年ほど前にアムネスティ・インターナショナル日本で簡単な研修を受けました。

茨城県の牛久には法務省管轄の「東日本入国管理センター」、通称「牛久の収容所」があって、強制送還直前の外国人が暮らしています。

牛久に収容所されてる方々の中には難民申請してる人もいれば、配偶者が日本人とか、子どもが日本で生まれてる方もいて、ただ単に「オーバーステイだから母国に帰れば良い」という問題ではないわけです。

その牛久の収容所で、収容されている外国人の方の話を聞いたり安否確認をする「面会ボランティア」という活動があって、アムネスティで1日研修を受ければ、アムネスティ経由で面会ボランティアができるというシステムが当時あったのです。

研修の講師は山村淳平医師で、牛久で唯一、面会ボランティアをしている内科医でした。

私は研修を受けた後、早速面会ボランティアを始めることに。特に、収容者の健康問題に関心があった私は、初回は山村先生とともに面会ボランティアを行い、2回目以降は、1人で1日3〜4件ほどの面会を月1回のペースで行うことになりました。

ありがたいことに当時、アムネスティで難民事業を担当していた方と仲良くさせていただいており、毎月医療ニーズが高い方々の「面会者リスト」を送っていただいていました。

私が面会をして、特に問題がある方を山村先生に報告して、改めて別日に山村先生に診ていただく。人権的に問題があるケースはアムネスティに報告する、という連携プレーで数年行ってきました。

2年のブランクの後に〜

で、まあ、今回の訪問は2年ぶりだったわけですが、その間のモゴモゴについては、改めてじっくり語るとして〜

アムネスティが面会ボランティアを廃止して初の面会でした!!

久々すぎて、他の面会ボランティアの皆さんに受け入れていただけるか、ちょっぴり不安でしたが、2年のブランクを感じさせないくらいの雰囲気でした☆

牛久の会のみなさんには、ホントいつも感謝です。行ったら行ったで、牛久の会のみなさんから、「みんな体調が悪い人だらけよ〜!」と。あの人もこの人も面会して欲しいとリクエストがありましたが、時間的に結局今回は2ケースしか面会できなかったのが、残念!!!

収容所の今の医療

常勤の医師は常駐してないようで、複数の医師が月に数回派遣されて来てる感じ。専門外の疾患も1人の医師が診ています。

収容されている外国の方が体調不良で医師の診察を受けたい場合、申し込み用紙に記入しますが、実際に診察を受けられるのは1〜2週間後。

収容所内には充分な検査設備はないので、もし外の病院で検査するなら、申し込み用紙に記入してから1〜2か月後になります。

収容所内では薬の出し過ぎも問題になっており、今回面会した方は、1日30錠以上内服しているとのこと。

ストレスによる身体症状や精神疾患が多いですが、
高血圧、心疾患、脳血管障害、ヘルニア、痔、骨折、胃潰瘍、便秘、大腸ポリープ、膀胱炎、不正出血、不眠症、腰痛、静脈瘤、アレルギー、等々症状は多種多様です。

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今回のケース

2人の方と面会して体調の確認をしました。2人とも日本語が話せたので、症状をすぐ把握することができたので助かります。

お1人の方は出血が止まらないのに効果のない止血剤が出されてそれを内服するだけ。痛みに対しても痛み止めが効かない状況。

もう1人の方は、少し前に意識消失したにも関わらず、収容所の職員は放置し、何の対応もせず。「再度、眩暈や頭痛が来たら不安だ」と言っていました。

経費削減のため、オーバーステイの外国人に医療費をまわせない、という意図もあるのでしょうか?弱いところにシワ寄せが来るのは、如何なものかと思います。

確かに彼らはオーバーステイにより収容されていますが、だからと言ってそれが、医療を受けられない理由にはならないと思います。

法的措置と医療は分けて考えるべきでしょう。

これからも定期的に面会を継続して、医療面から収容所のありようを伝えて行きたいと思っています。

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