エイズ文化フォーラム 2009

横浜で毎年開催される、
エイズ文化フォーラムは今年で16年目

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8月第一週の金曜日~日曜日にかけて、
HIV/AIDSに関わるいくつもの団体が、セミナーを開催します。
しかし年々参加者が減り、
セミナーの内容もいまいち面白味に欠けると思うのは、
私だけでしょうか?

しかも、このフォーラムで扱われるセミナーの大半は、
性感染症としてのHIV/AIDSです。
私が関わっている、
薬害エイズを考える山の手の会だげが、
薬害エイズを扱っているので、異色・貴重なセミナーを開催できたと思います

私たちは今回のセミナーで、
HIV/AIDSを取り巻く社会保障について話をしたのですが、
社会保障って、ホント、地域差があるんですよね

同じ関東でも、HIV検査を行う際、
東京・神奈川では、保健所の他にクリニックなどでも検査が可能です
しかし、千葉・埼玉では保健所でしか検査ができず、
選択の余地がありません

また、HIV/AIDSの治療ができる拠点病院は、
東京は42病院、神奈川は17病院、に比べ、
千葉は7病院、埼玉は6病院と、かなり差があります

じゃあ、拠点病院の数が多い東京は、
治療内容が充実しているかと言えばそうでもなく、
ビッグ4と言われる、4つの病院に患者が集中し、
ほかの病院は、あまり機能していません
それ以前に、
自分の病院がHIV/AIDS治療の拠点病院に指定されてることすら、
知らない医療従事者もいます

私たち日本人がHIV/AIDS陽性になった場合、
「免疫機能障害」の障害者手帳をもらうことで、
毎月10万もする薬代が、1万そこそこに免除されます
→その人の収入に応じて異なります。

しかし、外国人の場合はどうなんでしょうね?
日本国籍じゃないとしても、同じ「日本」という国に住んでいる以上、
治療に大きな差があってはならないと思うのです

現状としては、
オーバーステイの人たちには、サポート体制がありません
そのため、対症療法がメインになります。
つまり、熱が出たら解熱剤を使って、
咳が出たら、咳を止める薬を使って、といような

いつ、本国に帰るかわからないので、高価な薬は使えず、
また、本国で手に入らない薬で治療してしまったら、
帰ってから治療が継続できないので、
本国での治療薬を調べてから、継続できそうな薬で治療を始めることもあります

そして薬害は、HIV/AIDSだけではありません。
肝炎も同様です。

C型肝炎は和解しましたが、
インターフェロンの治療費が患者さんに重くのしかかっています
インターフェロンは医療保険が適用され、患者負担額が所得に応じて、
1万・3万・5万とあるのですが、
年間数百万かかる治療費を、まずは自己負担しなければならず、
治療費はあとから戻ってきます

数百万ものお金を出せないため、
治療に踏み出せない患者さんはたくさんいます

そのため、インターフェロンにあてる国の予算は120億円・10万人分でしたが、
実際使われたのは、60億円・5万人分でした。
使われなかった60億円は国庫に戻り、来年はまた仕切り直しです

治療を受けたい人はたくさんいるのに、
患者のことを全く考えていない制度のせいで、
治療が受けられずにいるのです
おかしな話ですよね~~

社会保障制度は縦割りで、1つの窓口が一括しているわけではなく、
連携も取れていないので、
「窓口をたらい回しにされる」ということがよく起きます
そして窓口担当者は、自分のところの制度しか知りません。

まず、私たちが社会保障制度を知ること。
自分や家族、友達にかかわる制度だけでもいいので、まず知ること。
じゃないと、誰も教えてくれませんから
ネットや、役所にある冊子だけでも、十分な情報が得られます。

私たちの身を守る大切な制度ですから、有効活用したいですよね

HIV/AIDS関連の団体がブースで配布していた冊子

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ガムです

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コンドームと(右)、コンドームケース(左)。
これらも配布していました

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