9月28日 13:30開廷
イレッサ薬害東日本訴訟第4回裁判の
詳細については、コチラ。
今日は原告側の意見陳述だった。
「イレッサ」というのは、肺癌に効くと言われていた抗癌剤で、
アストラゼネカ社の商品である。(本社:イギリス)
抗癌剤は、その有用性が厚生労働省に承認されて始めて市場に出回るものである。
抗癌剤における有用性とは、「延命効果がある」ということだ。
しかし、イレッサは延命効果がないにも関わらず承認され、
間質性肺炎の副作用があると当時から言われていたにも関わらず、
副作用については、目立たない形で記述しているのみ。
しかも、誇大な宣伝をしており、
「副作用が少なく、内服方法も簡単で、他の抗癌剤より効果が高い」と、
夢の薬であるかのように販売された。
アメリカでは、196人中56人が死亡で、使用中止。
日本は、600人以上の犠牲者が出るまで、放っておかれた。
薬事法では、有用性の有無をきちんと調べることが決められており、
有用性があっても、副作用の有無を確認する義務があるのに怠った。
①有用性がないのに、それを隠蔽した。
②副作用の危険性の警告が不十分
③誇大な宣伝
④安全性確保義務の怠慢
以上がアストラゼネカ社の問題点である。
EU当局や本社では、イレッサの有用性を承認していない。
しかし、日本で400億以上の売り上げがあったという。
厚生労働省は、イレッサに「死の副作用」があると分かっていながら承認した。
医薬品の有用性について、承認前に確認する義務があるにもかかわらず。
医者や患者が目を通す添付文書はお粗末で、
危険性の低い副作用であるかのように、サラッと触れてるのみ。
なぜ、有用性が示されていないにも関わらず、承認できるのか?
そこには落とし穴がある。
抗癌剤に限っては、「有用性についての確認は、承認後でもいい」と
言われている。
しかし、このようなことがまかり通ってしまったら、
抗癌剤ではないのに、「この薬は癌に効く」とさえ言えばすぐに承認され、
有用性の確認については、薬が市場に出回ってからになる。
一般販売されてから致死性の副作用があることに気がついても手遅れだ。
厚生労働省は、承認後、治験の成績を追跡調査し、確認する義務がある。
しかしその怠慢により、イレッサの被害は拡大した。
薬害イレッサは、薬そのものが引き起こしたのではなく、
人が引き起こした事件であると思う。