WAAF設立10周年記念国際シンポジウム
11月2日、品川のユニセフハウスで国際シンポジウムが開催された。
アフリカでFGM廃絶活動を行っている、女性活動家2名を招いて、
現場のナマの貴重な声を聞くことができ、有意義な時間を過ごすことができた。
FGMとは、このブログでも度々登場しているが、女性性器切除のこと。
アフリカを中心にいまだに多くの女性たちが、この暴力の被害にあっている。
FGMについての詳細は、コチラをどうぞ。
会場には女性を中心に約80名出席していた。
男性も、思っていたより参加しており、学生風の若い方から
年配の男性まで年齢層は幅広く、出席してる男性をみると、
なんだか頼もしく感じた。
この左の写真の女性はケニアでFGM廃絶運動に取り組んでいる
NGO代表のリリアンさん。
右の写真は、FGM廃絶運動のシニアプログラムオフィサーとして
エチオピアで活動しているリンダさんです。
リリアンさんは、FGM廃絶のために若い女性たちの意識改革の
必要性を感じ、村に入り、村の人たちと同じ仕事を行い・同じ生活をし、
活動をしています。
今まで約200人の少女を助け、現在は12人の少女たちを保護しています。
リリアンさんのNGOのメンバーが、いくつかの村々を訪問し、
集会を開いてFGMの有害性や、子どもの教育の必要性などの
意識改革を行い、保健活動も行っています。
村の老人たちの中には、「FGMがそんなに有害だったなんて知らなかった。
もっと早く知ってればよかった」という人たちもいます。
男性側からは「男性にとって、女性がFGMをしているかしていないかは
重要でない」という意見もあります。
しかし、FGMについての意識は部族によって全く異なり、
FGMの有害性を知ってても収入のために続けている伝統的産婆さんたち。
FGMを実施することを望んでいる男性たち。
娘を結婚させるためにFGMを受けさせる母親たち。
現在のアフリカ諸国でのFGM実施率を見ると、
「廃絶するにはあと何年かかるんだろう・・・」と気が遠くなります。
スピーカーの一人でもあった、若杉なおみさんのお話の中に、
「他の国にもFGMに似た悪習が昔からあった」というのがありました。
例えば、
**ビクトリア朝のコルセット
**女性十字軍の貞操帯
**中国の纏足
どれも、女性の身体を傷つける暴力です。
そして、中世ヨーロッパでは、
魔女・ヒステリー・不服従の女性への懲罰的性器切除が存在しました。
私はヤンソンさんのスピーチに涙が出そうなほど感動し、
最後のほうは、ウルウルしてました
FGMに限らず、活動をする上での大切なメッセージを
発信していたからです。
アフリカでFGM廃絶運動を行ってる女性の言葉、
「技術的支援、経済的支援、そして心情的支援をください」
もちろん、国際支援にはお金も技術も必要です。
でも、支援活動の根本にあるのは、
「なんとかしたい」「なんとかしなきゃ」
という気持ちだと思います。
強い気持ちを持ち、その気持ちを持ち続け、
まわりの人たちに伝え、そして行動する。
仕事が忙しくて疲れてたり、何もしたくないときもある。
抱えてる全てのことがイヤになって、投げ出したくなるときもある。
何もかも、「もういいや!」って思うときもある。
でも、やっぱり、自分の心の底には、捨てきれない「思い」が残っている。
私の行動の源である、その「強い思い」をいつまでもずっと、
持ち続けられるようにしたいです。
「FGM(女性性器切除)」関連記事一覧です。
2005年7月29日 WAAF(FGM廃絶を支援する女たちの会)の紹介
2005年9月11日 ケニアの女性とFGMの報告会①
2005年9月18日 ケニアの女性とFGMの報告会②
2005年10月29日 FGMに関する国際シンポジウム
2005年11月03日 FGM廃絶の現場から~国境を越えた連帯
2006年8月02日 母たちの村
2009年5月18日 ゼロトレランス・デー in 2009
2010年7月02日 アフリカンフェスタ2010 in みなとみらい