初めて東京地裁を訪れたとき、
興奮冷めやらず、緊張もしていましたが、
今となっては、セキュリティーチェクを受けるのも、
慣れてきました
先日ようやく、薬害肝炎訴訟の口頭弁論を傍聴してきました。
実名公表している、久野さんの意見陳述です。
私はいまだに、裁判の専門用語や、
裁判の仕組みがよく分かっていません。
というのも、薬害肝炎の東京裁判はすでに結審していて、
3/23に判決があるのに、
なぜ、今、口頭弁論???と。
しかし、よく話を聞いてみると、
第一次訴訟が結審し、その判決が3/23.
先日私が傍聴した、久野さんの意見陳述は、
第六次訴訟、とのこと。
よく考えてみれば、
薬害肝炎の原告は全国で90人以上。
これからも増えていく可能性があります。
90人以上もの原告を、一つの裁判で抱えるのは、
確かに困難ですよね。
薬害肝炎とは、
C型肝炎ウィルスが混入しているフィブリノゲン製剤(止血剤)を、
出産時に、大量投与したことによります。
(手術後に投与されたケースもあります)
そのため、多くのお母さんがC型肝炎ウィルスに感染し、
愛する家族を残して亡くなっています。
意見陳述で久野さんは、
今まで受けた偏見や差別、そして死への恐怖などを、
声を詰まらせながら述べていました。
薬害肝炎名古屋訴訟の原告が意見陳述の中で、
「息子が、『いろんなことを我慢したよ』と言うのを聞いて、
家族も被害者だと思いました」と述べたそうです。
薬害は、当事者だけでなく、
家族や社会(コミュニティー)も巻き込む、大きな問題だと思います。
裁判に勝って、治療費を国や製薬会社に出してもらっても、
インターフェロンが効く人は全体の30%と言われているし、
治療は副作用が強く、仕事と治療が両立しにくいのが難点です。
しかし、二度とこんな被害を起こさないために、
そして原告の方たちが人間としての尊厳を保つためにも、
この裁判に勝たなければならないと思います。
ちなみに、フィブリノゲンとは、ヒトの血液の中にあるタンパク質です。
1000人から2万人くらいのフィブリノゲンをプールして作ったのが、
フィブリノゲン製剤です。
ヒトの血液には、既知・未知のウィルスが含まれており、
C型肝炎ウィルスの混入も避けられません。
1994年までは、血液製剤の感染力を奪う処理が導入できませんでした。
よって、94年以前に製造されたものを投与された方は、
C型肝炎に感染している可能性が高いのです。