ゆったりした時間に身をまかせ③

帰ってきたよ、ナンプー寺(エイズホスピス)!
まずは、オリエンテーションから
ゆったりした時間に身をまかせ①
ゆったりした時間に身をまかせ②

ワライラック(末期患者の病棟)にいる、結核患者。
発症(排菌)していれば隔離するのですが、
感染していても排菌していなければ、マスクだけつけて、
他の患者と一緒に生活をしています

ワライラック33床のうち、6~7床は結核に感染している患者です。
→しかし、発症していないので排菌していません。
ガラスの扉で仕切られていて、
「結核感染者」「結核非感染者」は、一応別々になっています。
とはいっても、そのガラスの扉は、常に開放状態。

「感染はしていても、排菌していない」

だから、非感染患者と一緒に生活しているわけですが、
非感染者であるはずの患者も、ごほごほ
タイ人スタッフも、ごほごほ

排菌していない、とは言っても、
エイズを発症していて(しかも末期)、免疫機構が破壊されている患者ばかり。
すぐ、あっという間に、
結核を発症してしまうんじゃないでしょうかねえ・・・

ワライラックは、
ベッドが整然と並べられており、カーテンも仕切りもありません
だから、プライバシーなんて存在しないわけです。
それは、死んでも同じです

私が滞在している間、亡くなった患者さんがいました。
亡くなる1時間前から、ナースが突然点滴をしはじめ、
(意味があったのか疑問というか、よくルートが取れたよね)
気がついたら点滴をはずし、「死後の処置」をはじめていました

患者を真っ裸にして、体を拭いて、
穴という穴に、綿を詰めて・・・

もちろん、カーテンも仕切りもないから、
まわりの患者さんたちは、興味深げに見つめたり、
はたまた無関心を装ったり・・・

ここの患者さんと話して感じたことは、
みんないろんな思いはあるだろうけど、
生きることに投げやりになっていないんですよね

体にタトゥーを入れてる人、同性愛者、
10歳になるかならないかの女の子・・・

「最期まで生き抜く」
という思いが、伝わってくるんです

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私もしっかりご飯を食べて、頑張って働かないと

ランチは楽しみの時間
スタッフの人たちは、あらかじめキッチンに、
こんなお弁当箱を出しておいて、ご飯を詰めてもらっていました

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私はボランティアなので、こんな袋で渡されます
屋台でご飯をテイクアウトするときと、同じです。

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ランチタイムは、
看護師や医師といろんな話ができる貴重な時間です

タイには、タクシン元首相時代にできた、「30B医療制度」というのがあって、
低所得者でも、たった30Bで治療をしてもらえることができます。
じゃあ、その財源はどこからなのだろう?
酒税とタバコ税なので、国民からの抵抗は少ないと聞いていますが、
やはり、この「30B医療制度」はタイの財政を圧迫しているようです

そして、30B医療制度にはいろんな制約があって、
タイのID(国籍)がないとダメとか、
←タイでは、IDがないと生きていくのが非常に困難なのです
 この話については、後ほど。。。
国で指定された国公立病院でのみ適応される、とか。
自分の本籍のある県じゃないとダメ、とか

また、お金を出せば出すほど良い医療が受けられるタイでは、
30B医療制度の恩恵は非常に微々たる物で、扱いもザツだったりします

タイでは、ARV(抗HIV薬)が無料で提供されているため、
世界から賞賛を浴びています
しかしその反面、強欲な製薬会社との争いに巻き込まれています
そのため、「すべてのHIV患者にARV(抗HIV薬)が行き渡らない」
という状況が起きています

ナンプー寺では、多額の寄付金が集まるからなのか、
患者にARV(抗HIV薬)が行き渡っていますが、
タイではアンダーマネーが日常的に行われ、
毎年のように、登録更新用の大量の書類を要求されるため、
NGOなどの非営利組織・非政府組織が育ちにくい環境にあり、
寄付金を募ったり、団体を維持するのは難しいようです

つづく

今回の「タイ」関連記事一覧です。

2009年6月10日 帰ってきたよ、ナンプー寺(エイズホスピス)!
2009年6月12日 まずは、オリエンテーションから
2009年6月14日 ゆったりした時間に身をまかせ①
2009年6月14日 ゆったりした時間に身をまかせ②
2009年6月14日 ゆったりした時間に身をまかせ③
2009年6月17日 スラムに咲く華①
2009年6月17日 スラムに咲く華②
2009年6月18日 メー・ファー・ルアン
2009年6月28日 プー・ファー
2009年6月28日 LOFTY BAMBOO
2009年6月30日 サラデーン・カフェ
2009年6月30日 花と兵隊のプロローグ

その他の「タイ」に関する記事です。

2005年7月24日 タイのエイズホスピス①

2006年1月22日 タイ  少数民族と共にある生活①

2011年2月08日 クロントイ幼稚園☆

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4 件のコメント

  • いつも ありがとうございます。
    ともすると 投げやりに成ってしまう 生きる事。
    いつも 読ませていただいて 「生きる」に
    正対していなくては いけない。
    そう 教えていただいております。
    ドナーさん 応援しております。
    どうぞ お気をつけて。
    manaさん ありがとうございます。

  • お帰りなさ~い。
    「最後まで生き抜く」という思いと
    花の写真がとても合っていますね。

  • ふかふか猫助さま
    コメントありがとうございます!
    ナンプー寺にいると、
    患者さんから教わることがたくさんあります
    患者さんに感謝です

  • parole さん
    コメントありがとうございます
    エイズホスピスではあまり写真が撮れなかったので、
    タイで撮ってきたお花の写真を多様してみました
    もう一枚、ハスのお花の写真があるのですが、
    どこかで使いたいです