骨髄ドナーに選ばれました。で、私どうなるの?①
骨髄ドナーに選ばれました。で、私どうなるの?②
私にとっての最大の難関は、「母親の同意」でした
私は結婚して、夫と二人で暮らしていますが、
自宅の近くに実家があり、
実家には、両親と弟が住んでいます
夫の同意はその日にとりつけ、
じゃあ、次は母に・・・。
しかし母は電話の向こうで、私がドナーに選ばれたということに絶句し、
「絶対に反対」と
実家に帰り腰を据えて話すも、
「採取中に事故が起きたらどうするの
それに、かなり大変な思いをしたドナーの体験談をテレビで見たことがあるのよ。
あなたにそんな思いをしてもらいたくない
あなたがそこまでやらなくていいじゃない」
最後には言い合いになり、話し合いは決裂
翌日、
まだ担当のコーディネーターが決まっていなかった私は、
骨髄バンクの職員から電話がかかってきました
母の同意が得られないことを正直に話すと、
「お母様に反対されてまでドナーになることはありませんよ。
今回は難しいかもしれませんね。」と。
えっ
そんなにアッサリ、あきらめていいものなの
正直、バンク職員のこの台詞に、かなりびっくりです
「でも夫が同意してるんです。それじゃあ、駄目なんですか?」と、私。
もちろん食い下がりました
だって、おかしくありませんか?
私は結婚してるのですから、夫の同意だけでこと足りるはずです。
「ご両親の同意はあったほうがいいですね」と、バンク職員
「今までの例で言うと、本人にどんな固い意志があっても、
最終同意の時に両親に土下座されて、結局断った人がいるんですよ」と。
う~ん、、、しかし、、、
母の性格からしてこれ以上の説得は無理だろう・・・
ちなみに弟は喜んでくれ、
「凄いことだよ誇りに思うよ」と。
弟にこんな風に同意してもらえたのだから、
もしドナーに決定したら、最終同意は夫と弟に立ち会ってもらおう
次の手強い相手は、
意外にも医療従事者、私の上司たちでした
第一声が、
「これから子供を産むカラダなのに・・・」
「カラダに穴を開けるのよ」
へっ
私は思わず、
「ドナーになったら、子供が産めなくなるんですか」と、
本気で聞いてしまいました
もちろん、そんなことはありません。
そして、一緒に働いている医師に及んでは、
「ドナーになって、死んだ人がいるんだよね・・・」
思いっきり、後ろ向きな台詞っ
ちなみに現在までに、
骨髄ドナーの死亡例は世界中で4例あります。
そのうちの1例は日本人で、血縁者間の提供です
しかしこの事故はかなり昔の事例で、
その頃は腰椎麻酔での骨髄採取でした。
つまり、全身麻酔ではないので、採取中に急変しても、
迅速に対応ができないということです
現在は、必ず全身麻酔で採取していますので、
このような死亡例は起きていません
母親や、職場の上司たちの言葉は、
「私を心配してくれて、ありがたいなあ」と受け止め、
ドナーになる意志が揺らぐことはありませんでした