次は、イラクの環境NGOスタッフからの報告です。
まず、劣化ウランがどうやって作られるかですが、
原子力発電所で天然ウランを濃縮し、
その時に出るカスが劣化ウランとして兵器に使われます。
もちろん、日本の原発で出た、濃縮ウランのカスも、
アメリカ軍によって劣化ウラン弾としてイラクに落とされました。
地球の鉱物である天然ウランには、
「U238」と「U235」「U234」が存在します。
しかし原子力発電所のウラン濃縮過程では、
U235を濃縮して高めます。
その結果、天然にはない「U236」が出現します。
なので、環境調査をしたときに「U236」が検出されれば、
その場所で劣化ウランが使われたことが
明らかになります。
イラク南部の都市バスラで、劣化ウランに侵されている地域は、
①1991年 数地域
②2003年 1地域
で、土と水の分析を行いました。
分析を行った全地域で、U236が検出されたのです。
データーは全てイラクの環境省に報告してあります。
イラクはEUで、
「イラクの230~240箇所が劣化ウランに汚染されている」と
報告しましたが、この環境NGOの調査データが反映されているそうです。
劣化ウランがターゲットに当たると、
瞬間に20~30%がエアゾール化(微粒子)し、
そのうちの50~90%が、吸入できるくらいの微粒子になります。
それが風に乗って拡散し、土壌汚染されるのです。
劣化ウランに攻撃された戦車などは解体されて再利用されます。
解体工場や集積場の近くには病院や学校があります。
会場から、「イラク国民は劣化ウランのリスクを知らないのか?」
という質問がありましたが、
「どこへ持って行けというのか。どこへ持っていってもイラク国内です。」と。
う~ん・・・言ってることは分かりますが、
何の手立てもないのでしょうか?
少なくとも、子どもの多い場所は避けるとか・・・
イラクでは劣化ウラン汚染の除去計画がありますが、
近い将来の話ではなさそうです。
除去するとなると粉塵が舞い上がり、汚染地域が広がる可能性があるので、
国際的な協力の下、世界レベルで実施していく必要があります。
数年前に、関西電力が劣化ウランをアメリカに無償譲渡したことが
暴露されました。
関西電力は「アメリカが、その劣化ウランから劣化ウラン弾を製造したか
どうかは関知しない」と言っているが、劣化ウランは他にどんな使い道が
あるというのか?
そして、自分たちで作り出したにも関わらず、国外に出してしまったら、
その後どうなろうと知ったこっちゃない、という態度は、
あまりにも許し難い。
私たち日本国民は、イラクの劣化ウラン汚染に無関心であっては、
いけないと思います。
110~130台を行ったりきたり
しています。
11~14番を行ったりきたり
しています。