被曝と中絶と

高汚染地のチェチェルスク地区病院にて

私が所属する日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)では、外務省の「人間の安全保障」から医療機器を提供してもらい、ベラルーシの病院に送っています。今回私たちは、その医療機器のフォローアップのために、ベラルーシの病院を訪問しました。そして私たちが訪問したもう一つの目的は、21年前に原発事故で被曝した女性たちのヒアリングです。

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チェチェルスク地区病院。

病床数130床。一日の外来患者数は300~500人。いわゆる「田舎町の病院」といった感じです。院長先生に病院内を案内してもらいながら医療機器がきちんと稼動しているか、何か問題がないかどうか、ひとつひとつチェックしていきました。

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産婦人科外来でのこと。「妊婦健診で胎児に問題があれば、ゴメリ市にある遺伝研究センターに送る」と、説明を受けました。この病院でのお産件数は年間200件。そのうちゴメリ市に送るのは年間100件(保健省からの命令で、貧血でも送るとのこと)。更にその中で中絶するのは年間3~5件。

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中絶を望む人々

胎児に問題があっても、「産みたい」と思う女性はいないのかなあ?
そんな疑問がわき、ドクターに質問しようとしましたが言い出しにくく、辞めてしまいました。

というのも、ベラルーシには独特の価値観があるからです。この国では、胎児に先天性異常が見つかった場合、中絶するのが普通なのです。両親もそれを望むし、医療従事者もそれが当然のことだと思っています。

家庭の経済的な問題。そして、障害者をフォローする体制が整っていないという社会サービスの問題。

病院をひとまわりした後、思い切って院長に質問をしてみました。

「被曝した女性が、子どもを産むことに不安を抱いたりしないのでしょうか?」
院長曰く、「不安を口にする妊婦さんはいます。そのため食事のアドバイスをしますが、しかしそれは、妊娠前から気をつけなければならないことです。」そして、「ここチェチェルスクには、被曝に関する情報があります。」と、ご自分が書かれた書籍を見せてくれましたが、厚いし難しそう・・・折角、本を書いても、これを読む人がどのくらいいるんだろうか・・・?

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