チェルノブイリ原子力発電所4号炉②

チェルノブイリ博物館
チェルノブイリ原子力発電所4号炉①

ひたすら18キロ走って見えてきたのは、
まず冷却水を貯蓄する建物です。

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目の前には人工川があり、
その向こうには、チェルノブイリ原発5号炉と6号炉。
4号炉が事故を起こした当時、建設中だったそうですが、
事故後、建設を中止しています

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後ろを向くと、コンクリート製造工場があります。

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また前を向き、
そして目を左にそらすと、4号炉が・・・
ああ、ようやく会えた4号炉
まるで、愛しい恋人に出会ったかのようです~(* ̄∇ ̄*)エヘヘ

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1号炉から4号炉まで、全て入れてみました

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左から順に、4号炉ー3号炉ー2号炉ー1号炉。
3号炉と4号炉は、くっついています。

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この辺りでガイガーカウンターを作動させると、
2マイクロシーベルトです。
ガイガーカウンターとは、放射線を計る器械のこと。

私たちは普通に生活していても、宇宙から降ってくる自然放射線や
もともと地球に存在する自然放射線を浴びており、
地域差はありますが、日本では年間被曝量が、
1人当たり約1.1ミリシーベルトと言われています
世界平均は年間2.4ミリシーベルト。
時間当たりでは、0.1~0.2マイクロシーベルトが平均になります。

しかしここでは時間当たり2マイクロシーベルトを示し、
カウンターが鳴りっぱなしでした
年間当たりに直すと、17ミリシーベルトになりますΣ(`□´/)/
←1マイクロシーベルトは、1/1000ミリ
 「測定値」×「24時間」×「365日」=「1年間の放射線量」

つまり、通常の10倍以上の放射線を感知したということですよね

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そして4号炉のまわりをくるっと一周して、裏手に。

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4号炉の石棺は、かなりさび付いています・・・Σ( ̄ロ ̄|||)

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ガイガーカウンターは、時間2~3マイクロシーベルト。

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しかし空中にかざすと、
一気に時間16~17マイクロシーベルトまで上昇したんですよ~Σ(`□´/)/
びっくりです
っていうことは、地面より空中の方が放射線を感知したっていうこと
つまり、今でも放射線が飛んでるってことですね~~

1886年の事故後、
放射能にまみれた4号炉をどうすることもできず、
とりあえずコンクリートや鉛で作られた「石棺」を被せました
しかしこの化け物は石棺の中で生きており、
いつ爆発してもおかしくないと言われています。
そして石棺は老朽化し、さび付き、隙間が開いていて・・・

さらに石棺を被せようと、数年前から計画があり、
日本も5500万ドル拠出しました
しかし今回見る限り、まったく工事が進んでいないのです・・・

理由は、資金が集まっていないことと、
安全性が確保されていないからです

新石棺は耐用年数が100年と言われ、
2012年の完成を目指しています。
まず、4号炉から鉄道のレールを引き、その向こうで石棺を作り、
できあがった石棺をレールに乗せてひっぱり、4号炉の上に被せる、
という計画

この新石棺計画を主導しているのはフランスの建設会社ですが、
本当に2年後に完成するんだろうか。
もし完成したとしても、
「核連鎖反応の危険性」という問題の根本解決はなされていないので、
新しい石棺を被せたら終わり、ということにはならないでしょう
被せても被せても、根本的な解決には至らない原発事故。
どんなに隠そうとしても、一度起きてしまった物は元には戻らないんです。

そんなものは、
子どもたちに、そしてこれから生まれてくる子どもたちに、
残したくありません

現在この原発には約4000人の労働者がおり、
放射能の管理を行っています。
ここの労働者は放射線測定装置身につけており、
一日10マイクロシーベルトを越えないように、モニタリングしています

しかし、
誰かの犠牲の上に成り立つ私たちの生活は、
本当に幸せと言えるんでしょうか?

ありがとうございます。
mana

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