3つの難民キャンプにて~マルチシムー二教会クリニックでのIDPに対する医療支援

アシュティ108難民キャンプ

その後、昨日は都市部にある難民キャンプを3箇所まわりました。今はテントはなくなり、廃墟ビルで暮らしていたり、コンテナで生活をしています。

まず1つめが、アシュティ108難民キャンプ。現在約800人が生活しています。

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1室6畳くらいの大きさで、6人が住めることになっています。

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同じアシュティ108でも、屋内のコンテナは換気が難しいので空気が、悪かったりします。こちらも1室6人生活です。

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ここのキャンプの裏手にたくさんのコンテナが完成してて、ここに1600人の国内避難民を移動させることになっています。市内のビルの廃墟に暮らしている国内避難民の生活環境はかなり劣悪で、そのためにここに移動してもらうことになりました。

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アインカワモール難民キャンプ

次に訪れたのが、アインカワモールの難民キャンプです。ここには450家族、約2000人が暮らしています。

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私たちが訪問したお宅は、3歳の娘さんがダーイシュ(IS)に誘拐されたとのこと。最後に電話で話をしたのは数ケ月前だけど、居場所もわかっているし、でも、迎えに行けない状況なのが辛い。。。と。そんなご夫婦が子どもたちと生活している部屋は、入った途端に胸が苦しくなるような、空気が淀んいる場所でした。屋内だから、換気ができないんですよね。。。この方たちは数日後に、アシュティ108の新しいコンテナに引っ越すとのことで、少し安心しました。

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アマルコンプレックス難民キャンプ

最後に訪問したのが、アマルコンプレックス難民キャンプです。約150家族が生活していて、クリスチャンの他、ヤジディ教徒の方々もいらっしゃいます。ここも廃墟ビルですが、アインカワモールと違って、
空気の淀みはあまりなく、室内も明るい雰囲気です。もちろん、暮らしている方々のストレスは大きいですが。。。

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昨日市内の難民キャンプを訪問したのは、私たちが医療支援をしているクリニックに受診する患者さんの生活の様子をざっくりとですが、把握するためです。そして、私たちが支援しているクリニックでは、モバイルクリニック(訪問診療)を稼働すべく準備を進めています。そのため、どの難民キャンプをモバイルクリニックでまわるのが良いのかを判断するために、昨日は見てまわりました。

さて、今日も頑張りますっ☆

プロジェクトの概要

プロジェクトの実施団体→日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)
活動地→イラク共和国アルビル県アルビル市アインカワ地区
実施期間→2015年2月~7月

背景

イラク国内では、去年の夏から激化したダーイシュ(IS)の迫害によって、ニナワ県モスル等からクルド自治区に約85万人の方々が逃れてきています。彼らは建設中の建物や空き家、学校、広場そして宗教施設等で生活をしています。その内、約5万人のクリスチャンは、クルド自治区のアインカワ地区(クリスチャンの地区)で暮らしています。

そんな中、同じ国内避難民でありクリスチャンの医師らが、マルチムーニ教会にクリニックを設け、診療活動を行っています。去年の7月から1日約500人近くを診察しているクリニックでは、9月から薬品購入の資金が足りず、医療設備も不十分なため、慢性疾患を抱える方々の継続した治療が困難な状況にあります。

JCFが2009年から行ってきたサポートしてきたイラクの小児科医であるリカァ・アルカザイル医師が、去年の7月にご家族とともに長野県松本市に避難してきました。リカァ医師の友人であり親戚でもある小児科医のナガム医師がマルチシムーニ協会のクリニックの立ち上げと継続した運営に関わっているため、今回JCFがクリニックのサポートを実施することになりました。

事業内容

1.初期診療における投薬指導
2.カルテ作成と管理スタッフの育成
3.医療チームの派遣による医療体制構築支援

IDPとは

国内避難民のこと。「難民」とは異なり、自分の国の中で避難している人々をさします。

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